オルテガの『大衆の反逆』
o3-mini-high.icon『大衆の反逆』は、ホセ・オルテガ・イ・ガセットによる社会批評の著作で、20世紀初頭に発表されました。本書は、産業化や民主化の進展により、従来の知的・文化的エリートが衰退し、平均的な「大衆」が社会の中心となる現象を問題視しています。 【主要な論点】
近代社会では、従来の高い文化や知性を有するエリート層が影響力を失い、代わって平均的な大衆が支配的になると論じています。
大衆は、伝統的な価値観や高い基準ではなく、感情や単純な多数決に基づく行動を取る傾向があり、その結果、社会全体の質や方向性が低下する危険性を警告しています。
個人の自律と自己啓発の必要性
オルテガは、社会の進歩には各個人が自己を高め、批判的思考を持つことが不可欠だと説いています。個々の卓越性が、質の高い文化や知的活動を支える鍵と考えています。
このように、『大衆の反乱』は、大衆化がもたらす現代社会のリスクと、それに対抗するための個人の責任を鋭く指摘した重要な思想書といえます。
nishio.iconこの要約だと正直、退屈
>shinichiroinaba: 民衆というか大衆という言葉でオルテガが考えていたこと x.com/noharra/status… shinichiroinaba 本書の論脈に従うならば「動物」にほかならない。 そしてさらにオルテガの凄みは、彼の議論が単なる大衆への侮蔑とありえないエリートへの憧憬などではまったくない、というところです。 shinichiroinaba 同じ頃に書かれた『大学の使命』〔井上正訳、玉川大学出版部〕でオルテガは、のちの大学大衆化時代を完全に先取りして「今日の大学の使命はエリート育成ではなく、平均学生の啓蒙、教養教育にこそある」と断言しているのです。オルテガはもちろん、西洋文明を大衆の暴走から守ろうと考えています。 shinichiroinaba しかし彼は「文明の精華の担い手たるエリートを大衆の暴走から保護する」といった発想とは無縁です。まったく反対に彼は、大衆の教養の底上げを通じ、大衆自身をして暴走を自制するよう促すわけです。彼はこの意味では、徹底して大衆を信じ大衆に賭けているのです。