ひとくぎり
連続な世界から「ひとくぎり」の物事を切り取り、圧縮し、シンボル化する。そのシンボルを組み立てて、世界を再構成する。
われわれの世界、そしてわれわれを取り巻く世界は、考えようによっては連続している。自然にはどこにも切れめはないともいえる。その切れめのない自然の中から、われわれは、なにかを注目することによって、あえてひとくぎりのものごとを切りとり、取りだす。そしてそのものごとに圧縮したひとまとまりの意味を与える。その圧縮が極端まで行けば、しまいに単語とか記号とかいったシンボルを与えるところまでゆく。要するに〔切断→圧縮→シンボル化〕を行なう。そしてそのシンポル群を組みたてて、われわれに同化され意味を与えられたこの世界を再構成するのである。