「階層の終わり」はナンセンス
今日、「階層の終わり」をよく耳にする。ナンセンスである。あらゆる組織が、最高権威としての ボスの存在を必要とする。最終決定を行ない、従う者をもつ者を必要とする。あらゆる組織が、遅かれ早かれ遭遇することになる全体の危機に際しては、組織の命運は明快な命令の有無によって決まる。
船が沈没しかけているときに、船長は会議を開かない。命令する。船を救うためには、全員がその命令に従う。意見も参画も関係ない。危機にあっては、階層と服従が命綱である。
しかも同じ組織が、ある時には議論を必要とし、ある時にはチームを必要とする。
状況に合わせて組織構造が変わるべきであり、どういう組織構造が良いか議論している暇のない緊急事態がいつか必ず起こるから、その緊急事態での意思決定が集約される個人があらかじめ決まっていることが必要である。