Plurality2025-02-17
Plurality2025-02-17
nishio 「『シンギュラリティが来る、全部AIに任せたら良い』って、唯一の未来の選択肢なんでしょうか?違う未来がありえるのでは?」 この話をしてから個別の話をする感じ。
nishio 昨日の例ではKiite Worldの話になったのだけど、「ランキングが用意されると人々のアテンションがランキング上位の曲だけに向かい、そればかりを聞いて視聴体験の多様性が失われる、これは良くない」はシンギュラリティプルラリティ対立のかなりプルラリティ側に寄った考え方 nishio そんな形で今までに行われた色々な考え方の中にも「これはPlurality的だな」という要素がさまざまあり、それらを集めて連想のネットワークで接続していくことで、シンギュラリティ一辺倒ではない世界を浮かび上がらせていこうという感じ nishio これが公共の設計の話題になると「賢いAIが最適な方法を決める」がよいのか「人々が自分たちのことを自分たちで議論して決めていくことをAIが支援する」(熟議支援やブロードリスニング)が良いのか、という構図になる nishio 「プルラリティって具体的にはどんな技術か?」という問いが生まれることがある。だけど、「シンギュラリティって具体的にはどんな技術か?」というのと同じで、直接的に答えるのは難しい。ある技術は、世界がシンギュラリティの方向に進むことを加速し、別の技術はプルラリティの方向に加速し、または進化の速度が速くなりすぎることに対して空気抵抗のように「高速になるほど強い抵抗力」を発生させたりする nishio この空気抵抗の話をもう少し掘り下げると良さそう。(シンギュラリティという言葉はまちまちに使われて意味がボヤけているが)「技術が技術の進歩速度を増やすようになるといずれ速度が発散する、その発散するところが技術的特異点」という定義に基づくなら、雨粒が空気抵抗で終端速度になるのと同様に、加速する力と抵抗する力が釣り合って一定の速度で加速しなくなり、数学的な意味で特異点が発生しないわけなんだよね。 nishio (解説: 終端速度とは、物体が重力または遠心力などの体積力と、速度に依存する抗力を受けるときに、それらの力がつりあって変化しなくなったときの速度である。) nishio で社会や技術に空気抵抗のような速度依存抗力の項があるのかどうか、それを増やしたり減らしたりできるのかが問題。 シンギュラリティ起こる派は抵抗を無視できると仮定している。
一方で空気抵抗は存在する、適切に増やすことで加速しすぎることを防ぎ、より良い未来にすることができる、という考え方もある。これはシンギュラリティとの対置構図ではプルラリティ側にあるし、もっと詳細に見るとビタリク のd/accなどが具体例になるだろう。 これも「シンギュラリティでいいんですか?」という指摘なのだけど、後半の「技術でよりよくしていこうってのは危険な思想」って部分だけ切り取られるととても雑な議論になってしまう。何をよくするのか、どう言う方向が「よい」のかの議論をするのが大事。
シンギュラリティ⇔プルラリティ構図においては
「技術で効率をより良くしていこう(そのためには能力のない奴は切り捨てることになる)」がシンギュラリティ側で
「技術で人々の協力を促進していこう(そのためには意見や文化の異なる人を排除できないので効率は下がる)」がプルラリティ側