FACTFULNESS
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FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think
世界の現状に関する3択のクイズを12問出すと、ランダムに選んでも4問正解するはずなのに、平均正解数は2問だった。
著者は当初これを「知識のアップデートが行われていない」という現象だと考えた(p.18)が、新しい知識を得ているはずのダボス会議の参加者であっても同様に間違えるのでアップデートの問題ではない。「ドラマチックすぎる世界の見方」が原因。 「先進国と途上国」という分断があると思い込んでいるが、2017年現在そんなものはない P.37の図
3つの注意すべきポイント
第2章 ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み 緩やかに改善している時には話題性がない
急激に減少した時に話題になる
P.85の図
3つの要因
あやふやな過去の記憶
偏った報道
悪い時に「良くなっている」と言いにくい空気
「悪い」と「良くなっている」は両立する
第3章 直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み nishio.icon抽象度が低い
直近の変化のペースが保たれると誤認しがちなこと
グラフがまっすぐであると考えてしまう
グラフの形が直線だけではないことを知る
直線
滑り台
こぶ
倍増
第4章 恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み 他人の関心を引くには恐怖を煽るのが手軽
4000万機の飛行機が無事故で着陸したが、死亡事故のおきた10機だけがニュースになる
第5章 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み 単一の数字の大小を判断しようとして間違えること
一つの数字で判断せず、比較する
2016年には420万人の赤ちゃんが死亡した
これを大きいと感じてしまう
実際には3年間で450万→440万→420万と推移した
目の前の事例を過大視してしまうこと
物事が列挙されている時に、そのうちの2割が全体の8割を占める可能性を考える
国全体のCO2排出量で比較するのではなく一人当たりの排出量で議論する
第6章 パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み 同じ集団の中の違い・違う集団の間の共通点
暮らし方は、文化や宗教よりも、所得水準の影響の方が大きい
過半数:ほとんどなのか、半分を少し超えただけなのか
例外:少数の例で集団全体に対して結論を出してはいけない
自分が普通だと思わないこと
一つのグループの例を他のグループに当てはめない
うつ伏せの兵士の生存率が高かったことから乳児のうつ伏せ寝が推奨され、乳児突然死の増加につながった
第7章 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み 第8章 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み 自分が肩入れしている考え方の弱みを考える
第9章 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み うまくいった時に一人のヒーローに帰着しがち
社会基盤とテクノロジーのおかげ
第10章 焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み 「分断」を見かけたら「分布」を調べよう。二項対立を見かけたら「世界にはその二つしかないのかな」と調べてみよう。
「ネガティブなニュース」を見かけたら「悪いニュースの方が広まりやすい」ことを思い出そう。「悪いニュースが増えても、悪い出来事が増えたとは限らない」(『ファクトフルネス』第2章を読みながら)
「なんでもかんでも、直線のグラフをあてはめないようにしよう」(『ファクトフルネス』第3章を読みながら) この「直線本能」はまた、
・「分断本能」
・「ネガティブ本能」
とも密接に絡んでいるなあ…
恐ろしいものには自然と目がいくが、恐怖と危険とは違う。(『ファクトフルネス』第4章を読みながら)
数字がたったひとつ出てきたときには警戒しよう。別の数字と比べたり、割合を求めたりしよう。(『ファクトフルネス』第5章を読みながら)