2つの選択肢が対立概念と誤解される
たくさんあるうちの二つに過ぎなかったのにいつのまにか対立概念と思われるようになる
「本来はAとBは対立する概念ではないのに、対置して使われているうちに対立概念のように解釈する人が出てくる」という現象 かつて「ROM/RAM」が「書き換えらるかどうか」、「値渡し/参照渡し」が「関数内での変更が関数外に影響するかどうか」と同一視できていた時代があって、その後その枠組みに当てはまらないものが発明されて同一視できなくなった。
その新しい現実を古い枠組みで解釈しようとすると気持ち悪い分類をせざるを得なくなる 値渡しと参照渡しの違いだって本来は対立概念ではなくて引数の渡し方がたくさんある中の2つに過ぎなかったのに、その後JavaやPythonの引数の渡し方を見て「これは値渡しなのか参照渡しなのかどちらだ」みたいなことを言い出す人が出てくる時点では、値渡しと参照渡しが対立概念だという枠組みができてしまっているわけです。 技術の進歩によって過去の枠組みでうまく分類されないものが出てくる ROM(Read-only Memory)
PROM(Programmable ROM)が発明されたのが1956年、EPROM(Erasable PROM)が生まれたのが1971年なので、この頃には既に「ROM」は「書き換えられないメモリ」ではなく「不揮発性のメモリ」という意味で使われていた。その書き換えのコストが技術進化でどんどん安くなった結果、1977年に紫外線だとかを使わずに書き換えられる「Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory」EEPROMが誕生する。 EEPROMに
「UV不要で(高電圧を作れるROM Writerを使って)Erasable」
「駆動時と同じ電圧で(チャージポンプで自分で高電圧を作って)Erasable」
の2段階がある
「UV不要だけど消去や書き換えに人手などでの物理的な作業が必要なEEPROM」が技術の進歩によって「電子的な操作だけで消去や書き換えができるEEPROM」になったあたりで「えっ、これRead-only Memoryなの?」という違和感が強くなってくる