自らをマネジメント
マネジメントとは企業のためのものという前提がすでに崩れている。それは、あらゆる種類の組織のためのものだ。さらには、一人ひとりの人間のためのものだ。今や、自らをいかにマネジメントするかが、重大な意味を持つ。ドラッカーが『明日を支配するもの』(1999年)で展開したパラダイム転換論は体系としてのマネジメントの本質と、その現在の状況を確認するものだった。しかもいかに働き、いかに貢献するかという問題は、いかに生きるかという問題に直結する。
ドラッカーによれば、教育の中身と方法が、これまでとはまったく異なるものとなる。知識が中心である社会における教養とは、読み書きに加えてコンピュータ、外国語、マネジメントの知識、自らの専門領域についての高度な知識、その他の専門領域の意味性の知識、そして自らをマネジメントするための知識を持つことである。