個別の案件
2018-03-23
「個別の案件に深入りしない」という思考パターンについて。 ゼロからイチを作ろうとしている場合、新しいことをやろうとしている場合、判断を迫られる対象について十分なデータがあることの方がレアである。 n=1の事例について掘り下げることを避けるようなバイアスがあると、その種の問題に触れた時に「抽象化しよう」とする 「瑣末な枝葉を捨てる」「本質」などの表現で暗黙にポジティブな行為だと考えている。 「目の前の事実をきちんと掘り下げることなく、解釈に基づいて議論をする」というネガティブな行為だと表現することもできる。 同じ事実を前にしてもそれに対する解釈は人それぞれ異なる。
解釈をベースにした議論は食い違いやすい。
この種の問題に対する民俗学的アプローチは、その事例に関連する情報をなるべくたくさん集めようとするもの。 事例は一つしかなくて、そこからその出来事自体の分布を推測することはできないとしても、周辺情報がわかれば出来事を生み出す生成システム自体の記述ができる。