コミュニケーションツールのバットデザインパターン
すべての投稿が参加者全員に通知される
参加者が少ない間は大丈夫だが、増えると通知あふれが発生する
解決策
メンション: 特定の個人宛の通知とそうではない通知を分ける(Twitter, Slack, kintoneなど) 投稿時に本文以外の情報入力を求める
タイトルを求めるメールカルチャー
属性情報をあらかじめ付与することによって整理を促そうというアプローチ
デメリット
投稿のハードルを高める
ツリー的掲示板で親コメントに子コメントをつけた時に、ツリー全体での最新投稿だけが通知される 親コメント自体の通知が子コメントの通知で隠れてしまう
別ツールでの手動通知が発生する
そのツール上でやりとりが進んで情報が分断される
例えば電子メール
「見てもよいので情報共有しておく」と「見て、反応を返して欲しい」の区別が曖昧
既読が通知される
Aさんの投稿をBさんが見たかどうかがAさんに通知される
一見、発信者が「受信者が見たかどうか」を知ることができるのがメリットに見える
一方で「既読スルー」などの概念を生み出した
発信者が「見たなら返信すべき」というカルチャーを持っている場合に受け手が疲弊する
「通知に気づいたが、既読通知が嫌で開かない」などの行動を発生させる
「いいね」を持つツールでは「いいね」をつけることが積極的な既読の通知に使われることがある
字数制限
字数を制限しても、長文を書きたいユーザは連投するだけ
連続した話題なのか、単に短い間隔で投稿されただけなのかシステムが把握できなくなる
字数制限2: コンテンツの字数制限はないのに一度にペーストできる量に制限がある
ユーザはペーストして、リジェクトされて、分割してペーストし直す、という手間を強いられる
オフラインの挙動(これは難しい問題ではあるが...) オフラインで入力できないツールは「あとでオンラインになったら入力しよう」と人間が生身の脳で記憶することを強いる 忘れる
もしくは別のツールに書く
別のツールに書いて、投稿し忘れる
1対1のコミュニケーションを禁止
「1対1のコミュニケーション」にニーズがある状態を放置して、手段だけ禁止すると、ユーザは別の方法で1対1のコミュニケーションをする
投稿に対してパーマリンクがない
あとから言及するときに、リンクでさし示すことができない
既読通知を見る手段がない
通知が既読になると、その既読を見る手段がない
一度通知を見て「これはあとでじっくり見よう」とか「あとでアクションしよう」と思った場合に、どこかにそのリンクを投稿し直す必要がある、さもなければ「あれはどこだっけ?」になる
バッドカルチャー
いいね強要
他人に対するコントロール欲求が高い人と組み合わさると「部下は全員自分の投稿にいいねすべき」と考え始める
いいねの総数がいくらか表示されると、1人足りないことがすぐにわかる
誰がいいねしたか見ることができると、誰がいいねしていないかもわかる
いいねの仕組み自体は悪くないが、相性の悪い組織文化がある