「なんでそんなに頭いいのですか?」
今度MANABIYAというイベントで基調講演をする。主催者らが講演者への質問を募集したところ、その中にこんなのがあった 西尾さん、なんでそんなに頭いいのですか?
なんだこの質問はw。誰か僕と面識のある人がネタで書いたのではないか?
ところで、僕が受け取った質問一覧に石狩DSの総工費とかCSS3の質問とかも入ってることから考えると、この質問って講演者全員に共有されているのではないか?え、やめてよ恥ずかしいw
僕の理解では、人間の大部分はこういう時に謙遜するんでしょ。とりあえず「いやいや、そんなことないですよ」と言うのがプロトコルなんでしょ。「わたしブスだから顔出しインスタとかできない、どうしたらいい?」って言ってる人が居ても「バーチャルYoutuberなら顔が出ないよ」などと建設的なアドバイスをすると怒るんでしょ。「君はブスじゃないよ」って言わないといけないんでしょ。
そういう不毛な儀礼のために講演時間という限られたリソースを消費する気はないし、かといって儀礼をすっ飛ばして講演して不遜なやつだという印象を与える気もないので、この件に関して講演中で話すことはない。
一方で「頭を良くする技術はあるか?」という建設的な問いだと考えると結構おもしろくて、3つほど候補を思いついたのでそれを紹介しておく。
睡眠
個人的にも睡眠が不足していると頭の回転が遅くなったり、言葉が出て来にくくなったりするように感じる。
情報の長期記憶化
2年前に呼んだ本の内容で何を覚えているか。何も覚えてない場合、2年間蓄積を増やさなかったということで、それは同じだけ年を取る同年代に比べるとどんどん後退することになる。
脳というハードウェアの性能に関しては若者の方が高いのだから、年を取るごとにどんどん蓄積を増やしていかない限り競争上不利になる一方だよね。
広い視野
情報科学の専門家であることは、色々な分野に横断的に関われるチャンス。どんな分野でも情報を使うからね。
若いころは意識的にやっていたわけではなかったが、プロシンとか未踏のイベントとかに出続けることによって、15年くらいの間、毎年未知の分野に触れることを続けてきたので、それが広い視野を持つ上で有効に機能した。
技術経営を学ぼうとしたのも未踏がきっかけだし、その結果、書籍などでは学べない経営の実践的な課題に未踏社団の理事という形で関わらせてもらってさらに学びを深めている。