ファサード(Facade)
ダミーの体裁を用意すること、あるいはそのような体裁。
特にこれを前提とした立ち回りをファサード戦略という。
概要
例: A→Bに見せる場合を考える。たとえば係長 → 部長
通常は組織の原理に從った体裁を取るが、愚直にそうすると生産性やQoWの観点で望ましくないことがある
無能な係長であれば、それでも組織の原理に従うだろう
おそらく係長自身が、その配下が割りを食うことになる
有能な係長であれば、もっと融通を利かせる
その一手段としてファサードがあり、部長向けには組織の原理に從った体裁で対応するが、自分および内部は必ずしも従わず、もっと融通を利かせる
たとえば非常にノイジーな内輪の申請(現場→係長の申請)を全部やっているとやってられないので、ある程度の基準を設けた上で「申請無しで勝手にやっていいよ」「事後報告でいいよ」「部長には申請を運用してることにして報告しとく」とする、といったことですsta.icon
背景
ファサードは事実上よく使われています
しかし、表立って認めるわけにはいかないので「暗黙的な仕事術」として、直接見えない形で存在します
もちろん生真面目な人や奴隷のように融通が利かない人は、その限りではありません
また社内政治で使われることもあり、要はファサードの形跡が見られると、それを指摘することで糾弾できます etc
暗黙を読み取るのが苦手な人は、このことに気づきづらいです。また普段使っている人でも、新たなファサードをつくったらもっと生産的になれる・楽になれるので、しない事が多いです。この現状を打破するために、この概念を言語化しました。それがファサードですsta.icon
ファサードの利活用を促進する
ファサードは通常、実践していることを明確に伝えることは少ない
上述のとおり、組織の体裁としてファサードを認めるわけには行かない事が多いため
これがファサードの利活用を促進している
ならば、あえて明確に伝えればいい
係長の例で言えば、係長内の現場に伝える
何なら必要に応じてファサードを検討しよう、という文化をつくる
これならファサードを生かしやすくなります。もちろん、信頼できない人や機微がわからない人は、意図せず漏らしてしまう(たとえば係長の部下Aさんが、部長に、ファサードしている旨を喋るかもしれない)ため、このような者を巻き込んではいけませんsta.icon
応用
アダプター(Adapter)の主な仕事の一つは、まさにファサードをつくること