荻野恕三郎「光明主義批判―葆光の哲學」1997/3/31
https://gyazo.com/82aa3e8a1e2d34c84d08c3d10b453d54
無量光
しかし光は
部分的にしか照らしえず
照らす時も限られてゐた
外は照らすも內は照らしえない
ある一邊は照らすも、他の一邊は照らしえない
晝は照らすも、夜は照らしえない
光に消長、生滅がある
不斷光
別々に照らす光
差別の光
信じうるものにしか有效性をもちえない力弱き光、はっきりいって無能な光
無邊光
しかし光は
境界、分界をたてる
ことを分け、分界、境界をつくる
差異、差別、境界、中心のある世界は佛の世界から排除、否定、無化される
差別の世界を排除するといふ新たな差別
無礙光
しかし光は
一寸したものに障ぎられやすい
一寸した塵があるだけで、すぐとくずれてしまふ世界
←→和光同塵
光を和らげ塵と同じうし
現實に弱い世界
無對光
しかし光は
對、對立の世界をつくる
對立と境界を光が設定する
對立
光と闇
光はどうしやうもなく闇との對立性にあらざるをえないが、闇は光との對立性なくしてもありえたといふ點で、光の立場での對立性と、闇の立場での對立性が異なる相をみせる
光の暗さ。光と闇の交流性
脱我 (extasis)
闇黑 (caligo)。盲目化 (excaecatia)。無知 (ignorantia)
隱れた作用は透明な物體ばかりでなく不透明なものをつうじても作用する
光と闇の相補性
光と光との競合性
光あって明らかになることによってあらはとなる對立性
光あるところに蔭、影、陰がある對立性
闇は光なくしてもありうるのに對し、影とか蔭は光あるところでないとありえない
明るさゆえにあらはとなる對立性
見るものと見られるものとの主觀と客觀と對立性
見えてくるものの閒での對立性
分離性。境界性。分界性
一半の論理
感性的經驗と悟性的經驗とか理性的經驗との對立性
惡の問題に無責任な神は、人閒の現實の問題にはどうしても弱い
義に報いないが、義を證 (明かし) する神
善のみの神に惡であらざるをえない人閒の救濟など出來えまい
無稱光
しかし光は
稱名される
命名する
難思光
否定の道 (via negativa)
根源としての夜
文明
極端な一面性に陥って病んでゐるこの男性的、父權的世界が健康を取り戾したいなら、女性的心理の獨自性を新たに發見しなくてはならない
梵天勸請
葆光
ぼんやり
$ \ne曖昧
$ \ne中閒
光を包み藏す
明るさと共に出てくる眞理
←→放射光
環境光
ぼんやりとした映像 (aenigma)
憶測 (coniectura) とは他性 (alteritas) において眞理そのものに關與する積極的言表である
一性 : 神。眞理
謎
神祕
沌々。窈々。昏々。悶々。冥々。恍惚。窈冥。默々。惛然
亡きが若くして在
忘
滑疑の燿き
視れども見えず、名付けて夷。聽けども聞こえず、名付けて希。摶てども得ず、名付けて微
微明
微妙玄通
妙を觀る
←→曒を觀る
薄明かり。薄暗がり
幽
幽玄
天鈞
自然均平の理。能く是を是無きに和し、非を非無きに同じうす。智を均平の郷に息め
天鈞に休う。兩行