Preference by Association: How Memory Mechanisms in the Hippocampus Bias Decisions|Science(2012)
我々は過去にいい結果になった選択を再び選ぶようになる
一方で、今までに経験したことのない選択を迫られる場面は多々ある
初めての場面にもかかわらず、つまりどの選択肢がいい結果になるかは不明
この時別に選択肢自身を知っていても良いが、直接報酬と結びついていない
この状況においても選択にバイアスが存在する
報酬と結びついていないなら、ランダムに選ばれそうだがそうではない。
仮説:海馬が報酬と結びついたことのないアイテムと報酬の情報を結びつける
1. イベントやアイテム間のつながりを形成する
アイテムに再び遭遇した時に関連したアイテムを呼び起こす
これと同様に、海馬は新たな報酬の経験を介して、過去に報酬と結びついていなかったアイテムの価値を変化させる?
手順:
1. 画像 AとBをペア学習(報酬なし)
2. 画像Bの一部と報酬を結びつける
3. A同士から選択(A自体は報酬と直接結びついていない)
つまりAの画像はランダムに選ばれるはず
報酬と結びついてるBとペアになってるAが選ばれやすいはず
被験者内および被験者間でばらつきがあったものの、
被験者内では報酬と結びついてるBとペアのAに選択がバイアスされた
意思決定バイアスの強さは、報酬学習中の海馬の活動増加と、海馬と線条体の機能的結合の強さによって予測された
この関係はA→Bの連合を明示的に思い出せない場合でも見られた
予測:
1. 連想記憶の働きが価値判断の変化の基盤になっているならば 報酬学習中の海馬の活動から意思決定のバイアスの大きさが予測できる
2. 再活性化された連想に対して価値が転送される仕組みだとしたら、
報酬学習中にS1刺激を表現している視覚野の神経活動が再活性化される
3. もし意思決定のバイアスが海馬と線条体の相互作用で生じているならば、
この3つが実験で確認された
面白いことに、この実験後にS1-S2ペアを覚えているかをテストしたところ、ほとんど覚えていなかった
海馬は自動的な価値推論システムとしても働いている?