日本のデジタル化の諸課題
リスク回避的な考え方を持つ「ハイコンテクスト」文化
信頼関係が重視されるため、リスキーな意思決定を避ける
こうした慣習は、デジタル改革に必要な実行体制の管理システム ( すなわち大きな裁量を与えられたチーム、迅速な実行、試行錯誤の考え方、新製品を構築するための「できるだけ早く失敗して学ぼう」というアプローチ、新しい領域を牽引するためには相応のリスクを冒し、長期的な成長加速のために時折の挫折や「失敗」を許容可能な投資として受け入れること、など) を採用する際に制約となる。
ずっと言われてきたこと。文化自体は変えようがないし、変えるべきでもない
経営層は、会社の存続に重きを置いている
いかなる戦略でもトップダウンが必要と報告書は述べている
確かに、全体的に見るとそうだろう
ただし、下からの変化に対する圧力が強いと上で調整しないといけないのが日本
民間部門は政府によるデジタル化の支持を待っている
これは新しい視点だった
あらゆる業界の経営幹部に話を聞くと、企業は、政府がデジタルを明示的に支持または採用するまで、デ
ジタルを採用することを躊躇していることがわかった。
なぜ??
他の国々では、民間部門が改革を主導して、公共部門の潜在的な非効率性を回避するための創造的な方法を見つけるかもしれないが、日本では、政府機関が改革の成功例を紹介し、簡単に採用できるシステムを導入することで道が開かれることが期待されている。
本当なら、公共部門のデジタル化の重要性がさらに高まる
日本のデジタル政策の歴史にある通り、デジタル技術の公共部門の普及について政府が行ってきたことが少なすぎるため、一概に効果があるかないかの判断は難しそう さらに現在の規制では、紙ベースの書類の提出、記録の印刷物の保存、手動による手順の承認が企業に求められているため、デジタル化を希望する企業でさえ、コンプライアンスを維持するために並行して労働集約的な手順を維持する必要がある。一方、政府機関は、民間部門からのデジタル化の強力な推進が見られないため、そのプロセスを推進したり、企業向けに具体的なガイドラインを作成したりするのに十分な圧力を感じていない可能性がある。
知見。政府が推進していない理由は他にもある
中核産業において、ベンダーロックインされて深く根付いている従来型 ITシステム
日本では、業務遂行に必要不可欠な ITシステムのうち20% が20年以上前に採用されたものである。この割合は2025年までに60% に増加すると予想されている
ソフトウェア産業界が産業構造を転換できていないため、問題がより深刻になっている
負のスパイラル
デジタル人材の評価の問題
経営陣からの重要性を十分に認められず、人材が不足している点が IT 投資の制約となっている。
デジタルシステムへの投資不足
ベンダーロックイン
IT インフラが古くなるため、それにつれて保守にかかる経費と時間が増える。Gartner 2018の調査によると、日本では CIOと予算の30% が従来型システムの維持に注力しているため、デジタル改革を開始できずにいる。従来のインフラを最新化するための全社的な強い取り組みがなければ、開発経費が上昇し続け、市場投入までの時間が延び、経営をさらに抑制してしまうという悪循環が回ってしまうだろう。
内向きの改革とサブスケールのスタートアップの協業形式
日本の業界文化は、ハイリスク/ ハイリターンのスタートアップスタイルのベンチャーに投資するのではなく、歴史
的に「社内起業家精神」を促進してきた。ただし、単一の企業の範囲内にとどまると、新しい改革は業界レベルまたは世界レベルで拡張されないことが多く、重要な価値を引き出す機会を逃す。
デジタル人材の不足、および既存の人材の IT サービス会社への集中
日本の現在の技術的人材は大部分が外部委託されているため、IT サービス会社に極度に集中している。米国やドイツなどの他の先進国では、技術エンジニアの70% 近くが、IT サービスの提供を主要事業としない企業に雇用されているが、日本では、技術専門家の大多数が IT サービス会社で働いている
日本でもCSが人気を増す中、全体の流れとしてはアメリカに遅れをとっている模様