『二百十日』
夏目漱石、『草枕』についで『二百十日』を読了。
これは読みやすい方の漱石。あっと言う間に読める。『坊っちゃん』の補遺みたいな感じだ。
主人公は、坊ちゃんと山嵐を思わせる二人の若き書生(多分、と言うのは、二人の素性は直接には語られず、二人の会話を通して推測するしかない仕掛けになっている)、圭さんと碌さん。圭さんが単刀直入に述べる社会正義の希求が心地よい。
舞台は阿蘇山。圭さんが噴火口を見に山に登ろうと言って碌さんを誘い、碌さんが渋々付き従う。筋としてはそれだけの物語だ。
『草枕』