『海の歴史』
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イントロダクション
第一章 宇宙、水、生命(一三〇億年前~七億年前)
第二章 水と大陸:海綿動物から人類へ(七億年前から八万五〇〇〇年前まで)
第三章 人類は海へと旅立つ(六万年前から紀元前一年)
第四章 櫂と帆で海を制覇(一世紀から一八世紀まで)
第五章 石炭と石油をめぐる海の支配(一八〇〇年から一九四五年)
第九章 近い将来:海の経済
第十章 将来:海の地政学
第十一章 未来:海は死ぬのか?
第十二章 海を救え
結論
謝辞
翻訳者あとがき
地球の71%は海。
気候を制御するのも海。例えば、海がなければ気温は少なくとも35度は上昇する。
およそ5億4千年前、140種類の動植物が海に現れた。これをカンブリア爆発と呼ばれる現象。 https://gyazo.com/7943e2d7aada62928a1472198f906ec8
3億年前にパンゲアという新たな超大陸が形成。
二〇〇万年前、アフリカに肉体的に頑強で革新的なホモ・エレクトスが現れた。彼らは、死者を埋葬し、愛情を表現し、高度な組織をつくるようになった。体熱を逃がす能力のおかげで、彼らは他の動物よりも長時間走ることができた。火を利用し始め、避難小屋をつくり、化粧品を発明した。同じ場所に数週間滞在することさえあったが、ノマドであり続けた。一八〇万年前には、ジョージア(グルジア)のドマニシにまで足を延ばした。 象に乗って海を渡る
彼らの海洋の知識は、気象学、占星術、予測術と深いつながりのある天体の知識とともに向上した。空の知識がなければ、海はわからない。星、風、雲、海流、魚群、鳥の飛翔に関する深い知識がなければ、海を旅することはできない。その時代のヒトはかなり高度な知恵を世代間で受け継いでいた。こうした叡智の伝達は、後の地図などに見出せる。贖罪や祈祷などの儀式、迷宮でのヴァーチャルな旅、動物やヒトの生贄、占いなどがなければ、航海はできない。船員と船長や乗組員と乗客を区別するように、社会的な序列がなければ、出航することもできない。陸地を歩く遊牧民にも同じような序列がある。 紀元前9500年
革命的な出来事といえる
水と海は、キリスト教のシンボルのなかで重要な位置を占めている。黙示録によると、「海は、夜、死、涙、悲嘆とともに消え去る。しかしながら、海に関する何かが姿を変え、それが昇華されて最高のものとして残る」という。初期のキリスト教徒は、彼らより以前の時代に生きたギリシア人やエジプト人と同じく、地球は丸いと確信していた。