『数学する身体』
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3個以下のものだと数えなくても個数を正確に認識できる。
4個以上だと難しくなる。
漢数字で掛け算の筆算をするのは難しい
数も図形(円、直線)も人工物。
古代ギリシャの数学者は、思考の手段として数や図形を用いるだけでなく、思考の手段として用いられる数や図形について、思考するようになった。 物理世界の中を進化してきたシステムにとって、リソースとノイズのはっきりした境界はないのだ。WhateverWorksというウッディ・アレンの映画(邦題は『人生万歳!』)があるが、物理世界の中を必死で生き残ろうとするシステムにとっては、まさにWhateverWorks、うまくいくなら何でもありなのである。人間が人工物を設計するときには、あらかじめどこまでがリソースでどこからがノイズかをはっきりと決めるものである。この回路の例で言えば、一つ一つの論理ブロックは問題解決のためのリソースだが、電磁的な漏れや磁束はノイズとして、極力除くようにするだろう。だが、それはあくまで設計者の視点である。設計者のいない、ボトムアップの進化の過程では、使えるものは、見境なくなんでも使われる。結果として、リソースは身体や環境に散らばり、ノイズとの区別が曖昧になる。どこまでが問題解決をしている主体で、どこからがその環境なのかということが、判然としないまま雑じりあう。
人間も同じ。
そのマグロの驚くべき「泳法」の秘密を解明して、潜水艦や船の設計に生かそうというのがこのプロジェクトの狙いだったが、その過程で興味深い仮説が浮かび上がった。マグロは自らの尾ひれで周囲に大小の渦や水圧の勾配を作り出し、その水の流れの変化を生かして、推進力を得ているのではないか、というのだ。普通、船や潜水艦にとって海水はあくまで克服すべき障害物である。ところが、マグロは周囲の水を、泳ぐという行為を実現するためのリソースとして生かしている、というわけだ。示唆に富む話である。周囲の環境と対立し、それを克服すべきものと捉えるのではなく、むしろ環境を問題解決のためのリソースとして積極的に行為の中に組み込んでいく。マグロにとって周囲の水の流れは、運動のためのリソースであって、障害ではない。生物は機械と違い、環境の中を生き残ってきた進化の来歴を背負っている。ロボットにとって環境はあくまで「解決すべき問題」かもしれないが、生命の方は、環境を「問題」と片付けてしまうにはあまりにもそれと深く交わっている。 ひとたび「身体化」されると、紙と鉛筆を使って計算をしていたときには明らかに「行為」とみなされたことも、今度は「思考」とみなされるようになる。行為と思考の境界は案外に微妙なのである。 行為はしばしば内面化されて思考となるし、逆に、思考が外在化して行為となることもある。私は時々、人の所作を見ているときに、あるいは自分で身体を動かしているときに、ふと「動くことは考えることに似ている」と思うことがある。身体的な行為が、まるで外に溢れ出した思考のように思えてくるのだ。
動くこと≒考えること
行動≒思考
数学によって解決すべき問題が、数学の中から生まれてくる。
あるとき講演中「レオナルドが……」と語りだしたときに、お客さんの一人が「ディカプリオですか?」と思わず聞き返したことがあった。このとき「なに? レオナルドはもう一人いるのか? その人もすごいのか??」と、彼は身を乗り出して、すごい勢いで聞き返していた。荒川修作には、そんな心温まるエピソードがたくさんある。 その日のトークは、とにかく凄まじかった。「君たち、太陽が素晴らしいと思ってるだろ! そんなに素晴らしいなら、なぜつくろうとしない? 俺は百兆円あったら、太陽をつくる。二つ目の太陽をつくるんだ。あっちで太陽が沈んだと思ったら、またこっちから昇ってくる。そしたらどうなる?? ……変わるぞぉ」いかにも嬉しそうな、いたずらっこのような笑みを浮かべ、それでいてものすごい気迫で「変わるぞぉ」と、こちらの目をのぞき込みながら言うのだ。終始こんな調子である。私はこの日以来、すっかり荒川修作のファンになった。 「数学」を数学する
生物が体験しているのは、その生物からは独立した客観的「環境(Umgebung)」ではなく、生物が行為と知覚の連関として自らつくりあげた「環世界(Umwelt)」である。
魔術的環世界=人が経験する風景
どのように世界を理解しているか、あるいは何を想像しているか
世界をどう見ているか。
同じものを見ているのに、この人にはこう見えているのか、というおののき。
それが、助数詞の活用を通して、自然に似たようなことができている。
助数詞:世界をどう切り取っているか。認識の具象化。
2と5 2と5
後者の方が反応速度早い。