柄谷行人『力と交換様式』
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交換様式A〜Dはその後の著作権『世界史の構造』『帝国の構造』にも登場
〈交換様式〉は、柄谷さんが編み出した独自の概念だ。社会のシステムを交換から見ることで、四つの交換様式を見いだした。その四つは、A=贈与と返礼の互酬、B=支配と保護による略取と再分配、C=貨幣と商品による商品交換。Dは、Aを高次元で回復したもので、自由と平等を担保した未来社会の原理として掲げられている。歴史上にあるDは様々な形を取るため、柄谷さんは〈X〉と呼んできた。
カント系マルクス主義では道徳的契機を経済的構造ではなくその外部の観念的次元に見出すことでマルクス主義の経済決定論を補完しようとした
しかし柄谷によれば、マルクスの生産様式の議論を「交換様式」の一形態として捉え直すことで、道徳的な契機も経済/交換のプロセスの中に想定することができるはずである。
すべての交換様式は共同体の内部の原理に限らない。むしろ共同体間で部族の代表者同士がおこなう交換であった
同じことをマルクスは商品交換=交換様式Cについて言っている
それによってマルクスはアダム=スミスの個人ベースの自由主義経済観を「現在の市場経済を過去に投影しているだけ」と批判