Negative Harmony
僕は、五度圏を”キーの主音と完全5度の間“で分割し、「対称的な位置にある音のペアは交換可能である」とする考え方だと理解しています。 しかし、冷静に眺めてみると…ネガティヴ・ヴァージョンのコードは、同主短調であるCマイナーキー(♭×3)(並び順的にはA♭リディアン(♭×3))のダイアトニック・コードであると気付きます。
同主短調からの借用和音は比較的よく使われる手法です。
つまり、ネガティヴ化して現れた音(コード)自体は、ネガティヴ・ハーモニーを根拠としなくても使用できます。
では、「結局ネガティヴ・ハーモニーは同主短調からの借用和音と全く同じ」かと言うと…少し違う気がします。
…なぜなら、使う音は同じでも同主短調からの借用として考えるか、キーセンターへ向かう力が同じと考えるかでは音使いへの意識が変わるはずだからです。
したがって、僕はネガティヴ・ハーモニーは”借用和音とは異なる音使いの視点を与えてくれる理論“だと感じます。
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