マリア・カラス
私にとって、オペラはカラスのアリアとそれ以外に分けてもいいと思えるくらい、素晴らしいオペラ歌手です。
力強い高声と広い音域、それを活かしきる表現力、そして、個性的な声。オペラのストーリーを理解した上で彼女の歌を聴くと、強い感動が得られる思います。
ヴェルディ、ドニゼッティ、ベッリーニのベルカントものに加えて、プッチーニがいけます。
彼女の声が衰えてしまった後も、ビゼーのカルメンやサン・サーンスのデリラのようなメゾソプラノの歌がとても良いです。
オペラを聴いたことのない人は、以下に紹介するアリア集から、オペラをどれかひとつ選んで歌詞(日本語訳)を読みながら聴くのが良いと思います。
聴けば分かりますが、彼女の声は個性的というか、とてもクセがあるので、人によって好みが分かれると思います。八代亜紀の声に対して透明感を高めた感じ!? 声質は、強い女性、激しい恋に落ちる女性、非運の女性、シングルマザーなどに向いており、まさにベッリーニ『ノルマ』のタイトルロールがはまり役です。
彼女がオペラ歌手として際立った存在であることを示しているのは、彼女の絶頂期の力強い高音域を活かした歌唱ですが、残念ながら、その絶頂期は1950年代前半の短かい期間に限定され、しかも、この期間のほとんどの録音の状態は良くないです。ということもあり、アリア集をお薦めしました。
しかし、カラスのもうひとつの魅力である表現力は、オペラ全曲を通して聴かないと伝わらないように思います。もし、全曲を通して聴くのであれば、ヴェルディのオペラをお薦めします。ヴェルディのオペラは分かりやすく、退屈せずに聴けるものが多いからです。他のオペラ、ベッリーニ(『ノルマ』)やプッチーニなどは、ヴェルディを聴いてからでよいと思います。
ヴェルディ『椿姫』全曲(黄色くマークされているところが彼女のパートです。)
https://www.youtube.com/watch?v=fzf-3q0QwsY
ヴェルディ「椿姫」から"È strano! 〜 Follie" (再生できない場合は、直接リンクをたどって、youtubeから再生してください。)
https://www.youtube.com/watch?v=I4cSVnqGmOc
ヴェルディ『椿姫』より"Addio del passato"
https://www.youtube.com/watch?v=5d1HIyyTLvg
ヴェルディ『アイーダ』全曲(すみません、彼女のアリアを探して聴いてください)
https://www.youtube.com/watch?v=o_pZBvp3WsA
ヴェルディ『リゴレット』より"Caro nome che il mio cor"
https://www.youtube.com/watch?v=amSMU9ATn3o
https://www.youtube.com/watch?v=4-Bk34lK3Io
ベッリーニ『ノルマ』より"Casta Diva"
https://www.youtube.com/watch?v=B-9IvuEkreI
全曲です。1960年録音で、既に声は衰えていますが、でもこの録音は買うべきだと気付かされました。
https://www.youtube.com/watch?v=tGy0ZDoVIR0
プッチーニ『トスカ』より
"Vissi D'arte"
https://www.youtube.com/watch?v=n49HZXmfo-0
1958年の録音?
https://www.youtube.com/watch?v=Ks1KQv0we4M
すみません、こちらは全曲なので彼女の歌を探すのは手間と思いますが、1953年の録音なので声が素晴らしい。
https://www.youtube.com/watch?v=HLaw51jGsAk
カルメン
https://www.youtube.com/watch?v=EseMHr6VEM0