OM-OF101
オンキヨーの家庭向けオーディオ機器部門がVOXX-シャープに事業譲渡(※)される1ヶ月前の2019年8月にオントモムックの付録として世に出されたスピーカー・ユニットで、斬新なデザインが採用されており、歪みを抑え、中音を充実させている。
以下、オントモムック 2019年版のユニット紹介説明。
ユニットの振動板には特許出願中技術である「バイオミメティクス」技術が採用されています。生物が進化の過程で得た機能・構造を採用したというもので、本ユニットではトンボの翅脈の模様が表面にデザインされ、また五角形を回転させた湾曲状のフォルムは貝殻からヒントを得たものです。これらにより軽くて丈夫という振動板の理想に近づき、振動板の共振を分散させて高域特性を改善、再生帯域を広げています。また振動板を支えるエッジは渦巻き形状で、振幅時の音響負荷を対称として歪みの低減をはかり、エッジからの不要音も低減させています。
これらの技術は、オンキヨーが「音楽を通じて人を幸せにしたい。伝えたいのは音質ではなく、音楽の本質」との思いから開発、採用されました。
table:spec
Z (Ω) SPL (dB) F0 (Hz) Qts Vas (L) Sd (cm^2) mms (g) Xmax (mm) Qes Qms Re(Ω)
6 86.0 92.00 0.670 2.26 50.30 4.5 0.8 4 5.2
T/Sパラメータのことがまだ分かっていないのだが、Qesが大きいと、電気的な制動が不足?であれば、箱の容積を大きくとり、ダイアフラムがしっかり振動できるようにする必要がありそう。
入手
中古のユニットを、オントモモックのキットからビルドしたエンクロージャとセットで1万円未満で入手した。最近ヤフオクでは、ユニットだけで1万円を超えることが多かったので、お値打ちである。そろそろ5年目も近づいてきたので、賞味期限切れなのかも知れないが。エンクロージャもオントモムック付録のダブルバスレフだが、しっかりと塗装されており、端子もバナナプラグ対応のものに換装されており、丁寧に作られていた。
所感
ユニットは中音重視。すっきりとした音で、ピアノや弦楽器など違和感なく聴けて良い。
ボーカルなど少し魅力に欠ける。余韻がない、というか、響きの収束が早すぎる感じで、ダンパーの硬さ(Vasの小ささ)がそのまま音になっているのだろうか。切れが良いというよりは、細かい音が抑えられた印象。
低音不足をダブルバスレフ型のエンクロージャで補い、中音を引き立てている。
キットのコストを抑えつつ、容積をかせぐために、バッフルと背板以外を、5.5mmと薄くしてコストを抑えており低音の箱鳴りは否めないものの、ラッカーで塗装して箱鳴りを抑えており吸音材も適正で、思った以上に嫌な音を出さずに鳴ってくれた。譲っていただいた方の丁寧な作りに感謝。
OM-MF519やScan-Speak 5cmのユニットとセットで売られた付録エンクロージャは、容積が足りずユニットにマッチしていなかったし、どちらもMDF独特の響きがしていた。容積を大きくしたことと、ペンキ塗装の双方が箱鳴りを抑えるのに効果あるのかも
高音は未評価(記憶になし)
ユニットに変なクセがないので、エンクロージャで低音を持ち上げる工作課題に適すると思う。さしあたり、ONTOMO Shop スピーカー自作キットのセール販売にてユニットとエンクロージャーキットを購入して、アレンジして組み立てて楽しむ予定。設計を試行錯誤中だが、知識がないので苦戦しており、ストック状態になっている。作って確かめたほうが早く上達するはずだが、サイズが大きいので、5〜6cmのユニットでトレーニングすることにしている。 もっとも、Woody&Allen工房さんは、リア・バスレフがお勧めのようです。
以下にONTOMO MOOK本エンクロージャのシミュレーションの経過(未完)
ONTOMO MOOK本付録のダブルバスレフ
Hornrespのシミュレーション
https://gyazo.com/f34a16adf186457d47a7098e62844f35
ONTOMO MOOK本に記載のパラメータを使用
Lc1= 19.7(cm) (第一空気室の奥行)
Lc2= 13.3 (cm) (第二空気室の高さ)
(2025.12.20 上記値に修正して、再検討中です。Lcは低音の特性に結構影響があり、再検討が必要になっています。本ページには、オリジナルのキットのシミュレーション結果のみ修正しており、その後の検討内容と整合性とれていない箇所があります。)
箱のジオメトリは、以前にOntomo shopで公開されていた商品説明書の図面より。
https://gyazo.com/960fbd98d8c26c4fb636a36b6b3f41f2
210 Hz付近にピークあり、100Hz付近まで膨らむが、バッフルステップにより抑えられるはず、100Hz以下はバッフルステップにより少し引っ込んだ感じになりそう。2kHz付近にも共鳴あるが、幅が狭いから無視できる?
50~200Hz範囲が割とフラットに持ち上がっており、このシミュレーションの結果通りであれば、ジオメトリを大きく変える必要性を感じない。あえて、アレンジした場合のシミュレーション結果を後ろに載せる。
多少、低音を伸ばしすぎてる感があるので、ほんの少し第二ダクトを短かくしても良いかも。
https://gyazo.com/5ce01bf7e99382b9f6953f10cf6ccef3
インピーダンス 56 Hz と 200 Hz付近に共振周波数
https://gyazo.com/741cbcae4750689e0ed616112f5a242d
群遅延はそこそこ大きめ。急峻な共鳴周波数付近以外ではそれほど気にならない??
上にも書いたが、ぱっと見、このシミュレーション結果通りなら、上々ではないでしょうか。
敢えて、アレンジするとどうなる?
第一空気室を小さくした場合。前提としてキットの板をなるべくそのまま使うために空気室間の仕切り板の位置(高さ)を変更し、ダクトの径を変えずに長さを変えた場合
https://gyazo.com/3dbe5756ba6b30b30dbc27f1fff56564
https://gyazo.com/3ddae21fac0be66eaf5329119e0ccabd
ジオメトリ
サイズ Vc1=2.5(L), VC2=4.39(L) (約1L、第一空気室側を縮小. ユニットを置くVC1をきりの良い数字に)
ダクト Lp1 2.8 (cm) Lp2 4.9 (cm) ポート長変更は適当
100Hz付近がぼわつく特性はバスレフと似ているが、200Hz以上を増やしていない点がバスレフと異なる。ダブルバスレフとしては、オリジナルの方が良い感じ? ただ、そこまでのシミュレーション精度がないと思うので、実際に作ってみないとわからない。
200Hz付近のディップの幅が大きい? 900Hz のピークはとれるんだろうか??
鋭いディップはダクト-ユニット間の距離があれば打ち消される。ピークはシミュレーションでは消えないものの、いくつかの作例からすると打ち消されるものと思われる。
https://gyazo.com/67f1c93f4f1b3640c748ae354070ed0d
60Hzと200Hzに共鳴周波数
群遅延の大きさは抑制されたが、変なディップも。聴感上どうなるのか??
https://gyazo.com/d695a23564dcf33eb74e2895eacfa601
逆に第一空気室を大きくした場合
https://gyazo.com/e6da5d7bc532ef5392fec90a091cad6f
ジオメトリ
VC1=4.4(L), VC2=2.49(L) (変動幅はおおむね上のケースと対称だが、VC1を入力しやすい値)
ダクト Lp1 2.1 (cm) Lp2 4.9 (cm)
https://gyazo.com/9603c336d2c892ce07bd34f2113c9e20
こちらはいいかも。240Hz付近にピークがあるが、幅も狭いし、ある程度均されて気にならないと予想。
低音をもう少し欲張って伸ばすこともできるかもしれないが、50~200Hz の範囲がなるべくフラットになるようにダクトを調整した。50Hz付近を伸ばせたのでは?(繰り返しになるが、そこまでのシミュレーションの精度はないと思うので、作ってみないとわからない。)
https://gyazo.com/f46dd79ae51504aca9a577f1fb706a96
240Hz付近の変動は聴感上はどうなんだろ??
ダブルバスレフの設計方法は、まだまだ手探り段階だが、まずはWinISDなどを使ってバスレフの適正モデルを作り、そのバスレフモデルのジオメトリ(全容積)と同程度の容積を全体の容積にして、各空気室を半分に分けて、低音の増強範囲をなるべくフラットになるように調整し、そのあとでフラットにしやすい容積比を調べて、最適化していけば、Hornrespでダブルバスレフを設計できそう(推奨設計値を一発で出してくれるspedの方が最初は楽なのだけど、特性をつかむための試行錯誤はhornrespの方がやりやすい印象)
OM-MF4-Micaのキットのアレンジを始めた感じでは、なかなかシミュレーション通りとはいかないので、何セットか作らないと良い設計を見つけるのは難しそう。
生方氏のDB30のhornrespシミュレーション(MOOK本記載の図面をもとに)
https://gyazo.com/c7cd91a053737428160a53665af05c0d
4.5L + 4.5L
(2025.12.20: Lc2を第二空気室の高さとすべきを奥行サイズを入れていたのを修正)
https://gyazo.com/80858a444bb5fd1fc0abb6d63dfe6bda
ムック本のキットに比べて、総容量が増えて(6.9->9L)、わずかに低音が伸びる。シミュレーション結果を見比べると、ムック本のジオメトリの方が若干素性が良いような気もするが、ほぼ同じような特性。(シミュレーションでは考慮されていない差異により大きく変わる可能性もあり、実際に作ってみないとわからない。)
ディップは、160Hzあたり。
https://gyazo.com/4fac6854077d32eceefd60cf2d1b0d99
F1=160Hz, F2=45Hz (5Hz刻みで読みとった)
https://gyazo.com/447163df18d5fdb5cdb759ff65270f4d
40Hzの遅延は無視して良い気がする。
上記のONTOMO MOOK付録箱をシングルバスレフとして使った場合
WinISDシミュレーション (6.3L@65Hz)
https://gyazo.com/d9dca3f195380f3f8fd3f357cefaf9f1
遅延
https://gyazo.com/f66d71f77cb3f27ac9e7aa179733cd38
箱がちょっと小さいが、群遅延を抑えた設計。悪くないと思う。
ダクトはφ2.8cmx4.9cmで上のダブルバスレフとダクトが同じと言って良い。
ダブルバスレフとの切り替え式にする場合に、バスレフ側はそれほどシビアでないので、ダブルバスレフ側に切り替え部分の容積変更に対する微調整が必要か検討。
ちなみに、プロットの薄い線のC4 Chebyshevは、10.55L@57.95Hz設定。8〜12Lくらいが通常設計のOM-OF101用バスレフ箱だと思います。ユニットの設計思想からすると、低音を伸ばすよりも、中音を良くする狙いで容積を増やす感じ。ML-TLも良さそうなので、シミュレートする予定。
Hornrespでは?
https://gyazo.com/651f1e6ac77bb03510f8c07b1e359c19
https://gyazo.com/73297886829a1f4f624924dc2527ebd1
若干低音が伸びているのは、たぶん、ポート長が若干違うからで、実質WinISDと同一結果との認識。音圧変化が倍くらいあるが、それはユニットのT/Sパラメータ入力値があてずっぽうだからか。
同じく群遅延の評価結果もポート長の違い、かな。
https://gyazo.com/3ca58cab7dbe4ef7ff77bf972e5b9d86
Hornrespのバスレフ・モードのGUIはめちゃくちゃやる気なしで、パラメータ調整用のWizardがない。パラメータ検討は、事前にWinISDなどでやってください、という感じ。Hornrespで求めた他のアーキテクチャのシミュレーション結果と比較することが目的で備えられた機能に思える。
フィルタをかけられるのが良いかも、バッフルステップ補償のパラメータもなんとなく予想つくかもしれないし、そうでないかも。 音工房Zさんの約12Lのダブルバスレフ Z601-OM-OF101 の板材キットを入手したので、ビルドする予定。リファレンスとしてはサイズが大きいので置き場所の確保が大変だが、低音を伸ばしながらバランス良くまとめているようなので、参考にする予定。