道祖神
「道祖神と近親相姦」(角川書店『怪』18号 2005年) 川谷真
道祖神神話のなかには次の3種類の信仰が重なり合っているのではないか。(だから道祖神のルーツがはっきりしない)
1. 祟り神・行路妨害神(ヒダル神、ミシャグチ):しかるべく祭祀すれば、祟ることをやめて道祖神になる。
2. 司祭者(生け贄):祟り神の犠牲になったもの。サヨヒメやトラという名の女性、盲目の宗教芸能者(瞽女・琵琶法師)
サヤ・サヨの名前は古語の「さやる(立ちふさがる)」に由来すると思われる
3. 近親婚を人類始祖とする神話伝承:1,2群とは別の経路によるもの。国外ルーツであるらしく、タイ・朝鮮半島に見られ、稲作とともに日本にもたらされたのではないか。