頭頂葉
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頭頂葉 - Wikipedia
頭頂葉
(とうちょうよう、英:
Parietal lobe
)は、
大脳葉
のひとつで、
後頭葉
の上部、
前頭葉
の後部にある。
頭頂葉
は異なる
感覚モダリティー
から
感覚情報
の統合を行っており、特に
空間感覚
と指示の決定を担っている。例えば、
頭頂葉
は
体性感覚野
と
視覚系
の
背側皮質視覚路
を構成している。これにより
頭頂葉
において、
視覚
によって
知覚
した対象の位置を
身体座標
における位置に変換することが出来る。
位置
頭頂葉
は4つの解剖学的境界によって定義される。
中心溝
は
前頭葉
との境界、
頭頂後頭溝
は
後頭葉
との境界、
外側溝
(
シルヴィウス溝
) は
側頭葉
との境界、そして
大脳縦裂
は左右の
大脳半球
の境界を作っている。
中心溝
の後部に接していて、
頭頂葉
の最前部となる領域は
中心後回
(
ブロードマンの脳地図
における
3野
) で、
一次体性感覚皮質領域
である。この領域と
後頭頂皮質
を分けているのは
中心後溝
である。
後頭頂皮質
はさらに、
上頭頂小葉
(
ブロードマンの脳地図
における
5野
と
7野
) と
下頭頂小葉
(
ブロードマンの脳地図
における
39野
と
40野
) に、
頭頂間溝
(
IP
) によって分けられる。
頭頂間溝
とそれに隣接する
脳回
は
四肢
と
眼球運動
の指示に重要な役割を持ち、
細胞構築学
と機能に関する違いにより、
内側頭頂間野
(
MIP
)、
外側頭頂間野
(
LIP
)、
腹側頭頂間野
(
VIP
)、
前側頭頂間野
(
AIP
) に分けられる。
機能
頭頂葉
は身体の様々な部位からの
感覚情報
の統合や、
数字
とそれらの関係に関する知識、対象の操作などに関する機能に重要な役割を持つ。
頭頂葉
の一部は
視覚空間処理
に関わっているともされていて、
頭頂葉
は他の3つの
大脳葉
に比べてほとんどよく分かっていない
大脳葉
である。
1990年代の様々な研究によって、
マカクザル
の
頭頂葉
の異なる領域が空間における異なる領域を表現していることが分かった。
外側頭頂間野
(
LIP
) は、空間的位置の顕著性を表現した
網膜座標系
の2次元マップを持っている。このマップは対象に眼球を向ける
眼球運動
の際に用いられる。
腹側頭頂間野
(
VIP
) は
視覚
、
体性感覚
、
聴覚
、
前庭
などの様々な
感覚
からの入力を受けている。
触覚
の受容野をもつ
ニューロン
は
頭部
を中心とした
座標系
を表現している。視覚の受容野を持つ細胞も頭部を中心とした座標系に基づいて発火するが、
網膜座標
を基準とした座標系でも発火する。
内側頭頂間野
(
MIP
) の
ニューロン
は
網膜座標
を基準とした座標系での、到達対象の位置をコードしている。
前側頭頂間野
(
AIP
) には手自身の操作に加えて、見たり、思い出したりした刺激を掴もうとする際に、対象の形状、大きさ、向きに反応するニューロンが存在する。
機能障害
ゲルストマン症候群
(
Gerstmann's syndrome
) は優位側 (通常は左側) の頭頂葉の損傷と関連付けられている。また
バリント症候群
(
Balint's syndrome
) は両側の障害と関連付けられている。
半側空間無視
は通常、非優位側の頭頂葉による
注意
の大きな障害と関連付けられている。