評価懸念
他者からの評価を気にかけることであり、援助行動に限らず、他者が存在する場面では、他者の目にどのように映るかを気にしながら私達は行動している
自分がとるべき行動が明白でない場合、周囲に他者がいるほど自発的な行動が抑制される
先走った行動はその場の暗黙の社会規範を破る可能性があり、自分が良かれと思ってとった行動でも、他者からの非難や排斥を招くことが予想されるため、抑制されやすい この「否定的に評価されているのではないか」という不安は,自分が他人と比べて劣っているというネガティブな自己像を反映したものであるという(Butler, 1993) 社会的評価不安
面前に他者が存在するかしないかといった状況の違いはあまり関係がない
聴衆の面前に立つ場合や知らない人と接する場合などの直接的な対人場面に限らず、それを予測したり改装することによっても生じるから
他者に否定的に評価される材料を与えてしまったかどうかわからない場合や、客観的に考えると不安を感じる理由は何もない場合でさえも生じる
評価懸念は単なる対人不安の下位概念にとどまらない多様な不適応問題を説明することができる可能性のある概念
評価懸念は対人以外の不安障害(Oei, Kenna, & Evans, 1991)や、不安障害以外の精神疾患(Kinoshita, Kingdon, Kinoshita, Kinoshita, Saka, Arisue, Dayson, Nakaaki, Fukuda, Yoshida, Harris, & Furukawa, 2011)との関連も指摘されている 扱っている次元の違いという点で弁別可能
感情・認知・行動という複数の次元で捉えられる対人不安
認知的な不安の程度を表す評価懸念を取り上げることは、不安にまつわる行動や感情の理解や変容にも役立つ可能性がある