社会的促進
他者が傍らにいる状況では個人の遂行成績が向上するという現象
社会心理学の初めての実証研究としてしばしば取り上げられる
リールを糸に巻きつけると、巻き付いた分だけ旗が進む実験器具を使って、少年少女を対象に実験
旗がゴールするまでのタイムを、単独で行う場合と二人で競争させる場合とで比較したところ、競争試行でより速いタイムを出す子どもの数が多かった
他者の存在は個人の成績を促進すると結論づけ、動機づけが上昇したためだと推測した トリプレット以降も繰り返し確認された
人間以外の動物にも見られ、集団の中にいる働きアリは単独のときに比べて、巣作りのために3倍以上の砂を掘る(Chen, 1937) 他者(他個体)が同じ課題を共に行っている場合(共行為効果, 共行動効果)だけでなく、課題をしている状況を単に観察されているという場合でも社会的促進が生じる(観察者効果)ことが知られている 社会的促進はその後も多くの研究によって確認されている
他者が同じ課題(作業)を同時に行う状況
トリプレットの実験
他者が異なる観察者として存在するような状況
社会的促進のプロセスをめぐる説
他者の存在によって注意が散逸し、注意の限局化が生じることが関係しているという説