創発
「創発」とは、部分の性質の単純な総和にとどまらない特性が、全体として現れること。物理学や生物学などで使われる用語「emergence」(発現)が語源で、自律的な要素が集積し組織化することにより、個々のふるまいを凌駕する高度で複雑な秩序やシステムが生じる現象あるいは状態をいいます。所与の条件に基づく予測や計画、意図を超えたイノベーションが誘発されるところから「創発」と呼ばれ、組織論やナレッジマネジメントの分野では、個々人の能力や発想を組み合わせて創造的な成果に結びつける取り組みとして注目を集めています。 最後に、これら、複雑適応系、カオスの縁、自己組織化臨界をまとめて、創発と言うことができるだろう。構成要素間の局所的な相互作用が、系全体の大域的構造を生成するのである。それはまさしく、相転移であり、非線形現象の特性である(第3章)。