ポジティブ・イリュージョン
ポジティブ・イリュージョン(Taylor, 1989)
平均以上効果(レイク・ウォービゴン効果):自分自身を現実よりも肯定的に歪曲して捉える。
制御幻想(コントロールの錯覚):周囲の状況を実際以上にコントロールする力があると信じる
非現実的な楽観主義:現実以上に、自分の将来には良いことが起こり、悪いことはあまり起こらないと考える
テイラーによれば、ポジティブ・イリュージョンを持つ人は、そうでない人より落ち込みにくく、困難な過大にも長く挑戦するため、成功しやすいという
ただし、あくまでも幻想であることから、自己認知を歪ませ、不合理な判断や行動を生むこともある
また幻想によって自尊感情が過大に膨らめば、他者に対する攻撃性につながる(→9. 対人行動)
しかし総じて、ポジティブ・イリュージョンは正常な人間の認識の範囲内のものであり、精神的健康に寄与する適応過程だとテイラーは主張している
抑うつリアリズム(抑うつの現実主義)(Alloy & Abramson, 1979; Dobson & Franche, 1989)
抑うつ者はむしろ自己や社会を正確に認知しているのだという
世界を歪めてみているのはむしろ一般の人のほう