コンラート・ローレンツ
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source: By Max Planck Gesellschaft (Eurobas) - Own work, CC BY-SA 3.0
コンラート・ローレンツ - Wikipedia
コンラート・ツァハリアス・ローレンツ(Konrad Zacharias Lorenz, 1903年11月7日 - 1989年2月27日)は、オーストリアの動物行動学者。英語風にコンラッド・ローレンツとも表記される。刷り込みの研究者で、近代動物行動学を確立した人物のひとりとして知られる。息子は物理学者のトーマス・ローレンツ。
業績
ニコ・ティンバーゲンとともにローレンツは固定的動作パターン(本能行動)を説明するために生得的解発機構の概念を発展させた。二人は大きな卵や偽のくちばしが固定的動作パターンをより強く引き出すことができること(超正常刺激)を発見した。ウィリアム・マクドゥーガルのアイディアに影響され、ローレンツは行動の動機の「心理流体学的」なモデルを考案したが、それは1960年代に影響力があった「種の維持」論の傾向があった。エソロジーへのもう一つの貢献は「刷り込み」に関する研究である。
ローレンツの最も大きな功績は、動物行動の観察という当時は軽視されていた古典的な手法を厳密に用い、科学の名に値するものに仕立てたことである。生理学・解剖学などからはわからない、動物の行動を直接研究する分野が生まれることになった。その中で特に有名なのはニシコクマルガラスやハイイロガンの観察研究である。自ら様々な動物を飼育し、解剖したり傷つけたりするような実験は好まなかった。刷り込み現象の発見は、自らのハイイロガンの雛に母親と間違われた体験に端を発したものである。また、そのガンに関する写真集なども出している。だがその説に対しては、後にあまりにも擬人化しすぎているとの批判が向けられた。
ローレンツは、動物の行動は種を維持するためにあると考えていたが、その後、社会生物学の発展などにより動物の行動は種のためではなく自分自身のため(さらには遺伝子が生き残るため)であると解釈されるようになっていった。動物行動学は彼が第一線から退く頃には大きく変貌していたが、ローレンツは個体のためという新しい視点の受け入れには消極的だった。変革の立役者の一人であるE.O.ウィルソンは著書の中でローレンツらを論理が粗雑だと批判しながらも、動物の行動が生物の他の形質と同じように進化や自然選択の文脈で扱えることを我々に納得させたと評価している。
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