グリシン
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グリシン - Wikipedia
グリシン (glycine) とは、タンパク質を構成するアミノ酸の中で最も単純な形を持つアミノ酢酸のこと。別名グリココル。糖原性アミノ酸である。 アミノ酸の構造の側鎖が –H で不斉炭素を持たないため、生体を構成する α-アミノ酸の中では唯一 D-, L- の立体異性がない。非極性側鎖アミノ酸に分類される。
多くの種類のタンパク質ではグリシンはわずかしか含まれていないが、ゼラチンやエラスチンといった、動物性タンパク質のうちコラーゲンと呼ばれるものに多く(全体の3分の1くらい)含まれる。
1820年にフランス人化学者アンリ・ブラコノーによりゼラチンから単離された。 甘かったことからギリシャ語で甘いを意味する glykys に因んで glycocoll と名付けられ、後に glycine に改名された。
中枢神経系においてグリシンはGABAに次いで重要な抑制性神経伝達物質である。今のところグリシンの受容体として知られているものは全てイオンチャネル型であり、グリシンが結合すると内蔵しているCl−チャネルの透過性が増えてCl−が細胞内に流れ込み抑制性シナプス後電位(IPSP)を発生させる。痙攣誘発剤であるストリキニンはグリシン受容体に対する特異的な阻害薬である。
一方で、興奮性神経伝達物質としての役割も知られている。グリシンはNMDA受容体に存在するグリシン結合部位に作用し、チャネルの開口を補助する。グリシン受容体に対しては約100uM, NMDA受容体に対しては約100nM~1uMのED50を示すとされている。
葉酸の触媒過程の全容において、平衡がテトラヒドロ葉酸側に偏っており、テトラヒドロ葉酸から5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸を供給するグリシン開裂系は葉酸系の代謝過程で重要な役割を果たしている。