イノベーションと体系的廃棄
ドラッカー「ここ半年であえてやめたことはありますか」 GE(ゼネラル・エレクトリック)のジャック・ウェルチがCEOになったとき、考えていたことが二つあった。一つはビジネスのグローバル化、もう一つはドラッカーに会うことだった。さっそくウェルチはドラッカーに連絡を取った。ドラッカーは、ウェルチに次のように述べたという。
「あなたの会社は小さな電化製品から原発までじつに多様な商品群を擁している。だが、もしかりに今からすべてを一から始められるとしたら、現在の事業をすべて行うだろうか」
もちろん、ウェルチの返答は「NO」だった。すべての事業をやりたくてやっているわけではない。やむにやまれぬ経緯があって続けているだけだった。ドラッカーは続ける。
「あなたはグローバル展開を考えているという。ならば、世界で一位か二位になれる見込みのないものはすべてやめてしまったらどうだろうか」
この逸話のポイントは、「何を捨てるか」についての意識をウェルチに促したところ
「世界で一位と二位への特化」を促したこと、いわゆる「選択と集中」にのみあるのではない。 「単に昨日まで継続してきたからという理由で、今日もそれを行う」という選択をしがち 連想