できない人はできる人に質問しない
結論から言うと、「できない人」は人に聞いていないわけではない。
実は、新人同士、できない人同士で聞き合っていて、上司や「できる人」には聞かないのである。
「ややこしい訴訟に巻き込まれた、政府の役人についての観察」で紹介されている。
公式の規則では 、役人が助けを求めていい相手は上司だけということになっていた 。
もちろん役人たちは 、しょっちゅう上司に助けを求めたりはしたがらなかった 。うっとうしがられるし 、それに自分の無知や独立性のなさを認めることになってしまうからだ 。
そこでかれらは系統的に規則を破った 。お互いに相談しあったのだ 。
ブラウはこの相談のパターンを観察し 、これを衡平理論に照らして説明した 。かれは役人同士の技能水準にちがいがあることも記述した 。 そして予想とは異なり 、技能の低い役人が技能の高い役人に相談することはほとんどなかった 。
低技能の役人は同じく低技能の仲間と相談して助言をやりとりした 。そして高技能の役人は 、他の高技能の役人とお互いに助言しあった 。
なぜそうなったのだろうか ?それは 、低技能の役人たちが取引に使える材料が限られていたからだ 。
ありがとうと感謝の念を述べることはできる 。そしてまれに高技能の役人に助言を求めた場合には 、確かにみんなそうした 。そうした謝意は 、最初はうれしいかもしれないが 、やがて空疎になる 。お礼を言うほうだって気疲れする 。
だから低技能の役人は 、最初は知識豊かな役人に助言を求めたとしても 、それが何度も繰り返されることはなかった 。一方 、同程度の仲間となら 、同程度の価値のやりとりとともに交換は繰り返し続いたのだった 。」
—『アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす』ジョージ・アカロフ, ロバート・シラー著
質問もトレードなので、質問しやすい空気を作るには質問をすることで回答者が得をする仕組みが必要かもしれない
回答者が回答しやすくなるというより、質問者が質問しやすくするため
このケースではめちゃくちゃ質問してくれる優秀な子
量を質に変換する工夫
質問を創り出すことも難しい