あなたは消費者になってはいけない。生産する者になりなさい。
宮崎駿、iPadをこきおろす|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
熱風7月号「ぼくには、鉛筆と紙があればいい」 | スタジオジブリ 非公式ファンサイト【ジブリのせかい】 宮崎駿・高畑勲の最新情報
――今日は宮崎駿監督にiPadをきっかけにして監督の「情報技術との関わり方」を聞きたいと考えています。
宮崎:
あなたが手にしている、そのゲーム機のようなものと、妙な手つきでさすっている仕草は気色わるいだけで、ぼくには何の関心も感動もありません。嫌悪感ならあります。その内に電車の中でその妙な手つきで自慰行為のようにさすっている人間が増えるんでしょうね。電車の中がマンガを読む人間だらけだった時も、ケイタイだらけになった時も、ウンザリして来ました。
好きすぎるmtane0412.icon
――道具として使いこなせばいいのではないでしょうか。
宮崎:
道具には、鉛筆と紙と、わずかな絵具があれば充分です。
――どう扱うかの問題だと思います。
宮崎:
じゃあ、ためしにあなたのiナントカで、ぼくの知りたい事を調べてくれますか? 安宅型軍船の漕手の給水はどうやってたのか? めしはどうしてたのか? 行動中の漕手の交代は出来たのか? 櫓がぶつかったら何がおこるのか? ……いくらでもあります。戦闘になったら、漕手には外はまったく見えないので、どういう心理状態の中にいたのか? どこにも出てませんよ、確信できます。あなたのiナントカで出て来る画像なんぞ参考になりません。八王子の信松院にある武田の安宅の模型や船の科学館の模型の方がずっとましです。ぼくが知りたいのはソフトの部分なんです。それは、他のいろんな記録や文書から推測するしかないんです。
――時間をいただけるなら、文献を調べて取り寄せることも出来ます。このiPadで。
宮崎:
あなたの人権を無視するようですが、あなたには調べられません。なぜなら、安宅型軍船の漕座の雰囲気や、そこで汗まみれに櫓を押しつづける男達への関心も共感にもあなたは無縁だからです。世界に対して自分で出かけていって想像力を注ぎこむことをしないで、上前だけをはねる道具としてiナントカを握りしめ、さすっているだけだからです。
一刻も早くiナントカを手に入れて、全能感を手に入れたがっている人は、おそらく沢山いるでしょう。あのね、六〇年代にラジカセ(でっかいものです)にとびついて、何処へ行くにも誇らしげにぶらさげている人達がいました。今は年金受給者になっているでしょうが、その人達とあなたは同じです。新製品にとびついて、手に入れると得意になるただの消費者にすぎません。
あなたは消費者になってはいけない。生産する者になりなさい。
人間はユーザーになった
何も作らない人は何ができるかではなく何を好むかで判断する
整理する
iPadは道具である
iPadは使うものに全能感を与える
1台であらゆることができる
少なくと2010年代ではそのようなデバイスとして受け入れられていた
宮崎が使う道具の鉛筆と紙と絵の具は使うものにそのような万能感を簡単には与えない
宮崎が知りたい情報をみつけるには対象への関心と共感が必要である
iPadはまず全能感を与えてしまう
頭が速い vs 遅く考える
科学者とあたま
科学者はあたまが悪くなくてはいけない
スマートデバイスは必要な頭の悪さを提供しない
スマートデバイスは世界に対して自分で出かけていって想像力を注ぎこむことを阻害する
iPadを使っても世界に対して自分で出かけていって想像力を注ぎこむことはできる
しかしiPadの与える全能感がそれを阻害してしまう
ということだと思ったmtane0412.icon
「これを言っているのが宮崎駿である」という前提があるので読めているmtane0412.icon
macを捨ててiPadに統一したい勢の最後の壁に思える
消費に最適化されているインターフェースを捨てない限りクリエイティブユースとしての使いづらさが残っている気がする
宮崎駿はこういう頑固さを持ちながらも必要であればそれを捨てて導入している
CG