不偏推定量
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**不偏推定量**(unbiased estimator)とは、母集団のパラメータを推定するための統計量で、その期待値が推定対象の母集団パラメータと等しいものを指します。 つまり、不偏推定量を使って推定を行うと、長期的に見てその推定値が母集団パラメータの真の値に一致することが期待されます。
定義
ある推定量$ \hat{\theta}がパラメータ $ \thetaの不偏推定量であるとは、$ \hat{\theta}の期待値$ E(\hat{\theta})が$ \thetaに等しいとき、つまり
$ E(\hat{\theta}) = \theta
であるときに言います。
### 不偏推定量の具体例
$ \bar{x}は母集団平均$ \muの不偏推定量です。
標本平均$ \bar{x}の期待値は母集団平均$ \muに等しいため、長期的に見て、標本平均は母集団の平均を正確に推定します。
標本分散$ s^2は母集団分散$ \sigma^2の不偏推定量です。
標本分散の期待値は母集団分散に等しいため、標本分散を使って母集団の分散を推定すると、長期的に見て正確な推定が行えます。
### なぜ不偏推定量が重要か
不偏推定量は、推定量のバイアス(偏り)がないため、推定が長期的に正確であることを保証します。特に、統計学では母集団全体の情報が得られない場合が多いので、標本から得られた情報を使って母集団のパラメータを推定することが重要です。その際、不偏推定量を使用することで、推定の精度を保つことができます。