『失われた未来を求めて』
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2022/1/27
目次
Chapter1 資本主義リアリズムと失われた未来
1 未来の誕生と喪失
*カール・マルクスと胎動する〈革命〉
*虚構としての未来
*〈未来=子ども〉の光と闇
*チリ・クーデターが崩壊させたもの
*サイバーシン計画――テクノロジーによる社会民主主義
3 未来を幻視する――失われた連帯のために
*シティズンシップの崩壊
*道化と超人――ジョーカーの虚ろな哄笑
*持たざる者たちの連帯と叛乱?
*人びとを繫ぐ共同体を求めて
*タランティーノと失われた未来――ヒッピーの死、テト攻勢、シャロン・テート
4 カウンターカルチャーの亡霊――祓われた六〇年代
*濁りきったサイケデリア
*憑在論的メランコリー
*保守化したカウンターカルチャーの担い手たち
Chapter2 アシッド・コミュニズム――再魔術化と反脱魔術化
*脱魔術化――世界からの疎外、生の意味の喪失
*再魔術化――ニューエイジ運動、あるいは世界変革という名の自己変容
*反脱魔術化――カウンターカルチャーと消費文化の断絶
2 近代からの逃走――スイスに胚胎したカウンター思想の源流
*マックス・ウェーバーの死
*脱魔術化への疑義
*「真理の山」と「魔の山」――カウンター思想の結節点
*ダレスとユングの邂逅
3 LSDと知覚の扉―― 帰郷、あるいは自己変容による革命 *LSDの誕生
*ホフマンとユンガーのトリップ・セッション
*現実の複数性と超越的現実
*MKウルトラ計画
*再プログラミングとしてのLSD
*LSDから除かれた近代批判
*世界に纏わせたフィルターを払う
*エサレン研究所とアブラハム・マズロー
*サイケデリクスからニューエイジへ
*ハイパフォーマンスのためのスマートドラッグ
*一八世紀の「大覚醒」、六〇年代の「トリップフェスティバル」
*ドラッグによるインナートリップから、サイバー空間へのジャックインへ
Chapter3 変性する世界
1 反知性主義の起源を求めて――大覚醒、食物中毒、集団幻想 *知の奪還――大衆に開かれたLSD
*反知性主義はアメリカ史に通底する
*信仰復興運動と反知性主義
2 蜂起を生きる――カント、フーコー、フィッシャー
*世界という不条理の〈外部〉
*フーコー 、ドラッグ、快楽
*イグジットとしての「啓蒙」
*不服従と霊性
3 議事堂の中のシャーマン――虚構の時代の陰謀論
*世界のディズニーランド化
*代替現実ゲーム
*大きな物語との一体化
*マルチビジネスを彩るパステルQアノン
*議事堂の中のシャーマン
4 可塑的な〈世界〉へ――資本主義リアリズムからの解放
*能力主義社会が追いやる人びと
*自己責任のメンタルヘルス――マネジメントとレジリエンス
*鬱は資本主義に固有の病である
*魔術的自立主義と自己啓発
*世界の可塑性――反脱魔術化としてのスピノザ主義
Chapter4 共同体と陶酔――反脱魔術化の身体に星が降るとき
1 否定と治癒 ――逸脱者たちの目覚め
*資本主義はなぜ健常でいられるか
*幻想となった〈外部〉
*生権力 ――規律から生政治へ
*規範というファクター
*異常と正常の連続性
*精神疾患をラベリングする感情管理社会
*包摂は誰のためか
*治癒としての否定性
2 痙攣する身体
*魔女狩りと資本主義
*搾取される身体――生殖機械と労働機械
*生産性――現代社会に通底する優生思想
*抵抗と痙攣――身体の反脱魔術化
*適応不全を知らせるもの
3 鏡の牢獄――既知と自己の乱反射
*個人を規定するアーキテクチャ
*ナッジは自由を制約するのか
*最適化する環境、偶然性の喪失
*自由意志と責任
4 それでも未来は長く続く
*共に在る意味
*公的空間の再構築
*新たな始まり――見せかけの必然性を解体する
*照応し合う身体と宇宙