『LTVの罠』
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2023/7/20
LTV向上施策において、企業のマーケターや顧客担当者が陥りやすい最大の罠(わな)が、LTVを「一人の顧客が一生涯に生み出してくれる利益合計額」と捉える「企業視点」に潜んでいる。顧客から見れば、LTVは「一生涯に企業が提供してくれる価値の総量」なのだ。本書はLTVを損ねる「ボトルネック」の正体を明らかにし、その具体的な解消法を示した「LTV向上の実践書」である。
新規顧客の獲得が難しくなる中、多くの企業が既存顧客に着目し、LTVを高める方向にかじを切り始めている。ここで企業が犯しがちな過ちは、「会員プログラム」や「ロイヤリティープログラム」などを利用した顧客の「囲い込み」という発想だ。おなじみの「シルバー会員」や「ゴールド会員」といった"称号"を与えて顧客のロイヤルティーを刺激したり、独自ポイントを付与したり、専用アプリの登録を促したりと、囲い込みの方法は多様化している。だが、いずれも顧客にとってのインセンティブは少なく、満足度を高めるまでには至っていないのが実情だ。自分が特に好きでもない企業から「あなたはゴールド会員です」と言われても、うれしいはずなどない。 ●目次概要
はじめに
~成果が見いだせず、葬り去られている実態~
・「LTVの成功事例」はサブスクの事例とツールの宣伝ばかり
・顧客の「囲い込み」は妄想で始まり廃虚に終わる
・ゴミのようにたまったデータは、分析してもゴミのまま
・自己満足の「ブランド感」は、LTVの毒にも薬にもならない
・「部署」や「商品」で閉じたLTV向上は難しい
第2章 「MAST」に潜む罠
~LTVを損ねる4つのボトルネック~
・LTVを向上させるフレームワークの必要性と利用シーン
・Meet(出会う)認識までの障壁が高過ぎる
・Attract(引き付ける)顧客に魅力が伝わらない
・Sense(検知する)接点不足で顧客状況が分からない
・Trade(商売する)遠慮し過ぎてチャンスを逃す
第3章 「Meet(出会う)」のボトルネック
~認識までの障壁が高過ぎる~
・「Meet(出会う)」のボトルネックのおさらい
・価の高い商材 ライトな接点を用意する
・知らないうちに検討が終わる商材 ジャーニーの隙間を狙う
・所有されても認識されない商材 後付けの接点をつくる
第4章 「Attract(引き付ける)」のボトルネック
~顧客に魅力が伝わらない~
・「Attract(引き付ける)」のボトルネックのおさらい
・非対面の接客 文脈に沿って端的に伝える
・対面の接客 顧客視点から演出を考える
・過剰品質の魅力もどき LTVに貢献しないおもてなしはやめる
第5章 「Sense(検知する)」のボトルネック
~接点不足で顧客状況が分からない~
・「Sense(検知する)」のボトルネックのおさらい
・顧客情報の未取得 ただ貪欲に取得する
・顧客シグナルの見逃し CVを設計して営業につなぐ
・顧客状況データの不足 顧客が嫌がらない接点を増やす
第6章 「Trade(商売する)」のボトルネック
~遠慮し過ぎてチャンスを逃す~
・「Trade(商売する)」のボトルネックのおさらい
・既存顧客へのアップセル不足 ただ貪欲に伝える
・新規顧客への押しが弱い 障壁を下げて営業する
・人間の熱意は代替不可能 要所に絞って人を登板させる
第7章 LTVボトルネックを取り除け!
~問題の発見から解消までのプロセス~
・LTV向上プロジェクトの始まり
・「カスタマージャーニー仮説」の洗い出し
・定量アンケートで「大動脈」と「LTV貢献」に当たりを付ける
・定性インタビュー調査で行動の「順序」と「理由」を深掘り
・調査結果で現場を説得し、地道に改善を遂行する
【コラム】三井不動産グループのLTV改善アプローチ
第8章 LTVの成果を「見える化」する
~効果を計測するKPIの設計方法~
・LTVのKPIは妥協してでも「売り上げ」につながる“数字”を示せ
・短期で測れるLTVのKPIをつくり、PDCAに活用する
・定期的な「定量・定性調査」で効果を測定する
おわりに