魚眼レンズ
2種類ある
得られる画像は円形
画面対角線以上のイメージサークル径を持つもの
得られる画像は矩形
イメージサークル径が異なるのみであり、トリミングすれば同じイメージを得られる。
歴史
本来、魚眼レンズは学術目的に作られたレンズであって、芸術写真の分野で使われだしたのは後の話だったのです。
全周魚眼レンズは画角180°(またはそれ以上)をカバーする円形の映像が撮像面上に映し出されます。 主に気象観測、星、オーロラ観測等が使用目的でした。また、自動車の運転席の視界を確認し、死角の少ない自動車の開発にも一役買っているのです。
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そんな中、魚眼レンズの像の歪みがユニークなため、徐々に写真家たちも使い始めます。しかし写真作画的には、常に円形になる構図では扱いづらかったのです。
そこで、学術用途のウエイトを下げて、主に写真撮影用として考案されたのが対角線魚眼レンズだったのです。 初めの対角線魚眼レンズは1963年旭光学工業から発売されたフィッシュアイ・タクマー18mm f11でした。このレンズを皮切りに、各社がこぞって対角線魚眼レンズを作り出します。満を持して、最もフィッシュアイレンズを沢山ラインナップしたニコンも遂に対角線魚眼・フィッシュアイニッコール16mm F3.5を発売します。そして歴史はAFフィッシュアイニッコール16mm F2.8Dへと脈々とつながってゆくのです。
Ai AF FisheyeNIKKOR 16mm F2.8Dを設計したのは、手前味噌で恐縮ですが、当年28歳の若かりし頃の私です。
R.W.Woodが書いた論文「Fish-EyeViews, and Vision Under Water(Phli. Mag. S6. 12 159(1906))」によると、Wood氏はピンホールと乾板の間に水で充たしたカメラによって、画角180°の全天候写真を撮影したと報告しています。この論文では、その効果が、あたかも魚が水中から外界を見ている風景であると記されています。ここで初めてFish-Eyeと言う言葉が出てきます。したがって、フィッシュアイレンズの名前の起源はここにあると言えます。