電力自由化
新型コロナの感染拡大前は、(電力会社間で電力を取引する)卸電力市場からの仕入れ値が安く、新電力は自前の発電所がなくても、市場から調達すれば利益を得られた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻後は毎日のように市場価格が上がり、新電力は倒産や事業撤退が相次いだ。 一方、市場価格が安かった時期に太陽光や風力など自前の電源を開発し、独自の仕入れルートを開拓した新電力は今回の荒波を何とか乗り越えた —電力自由化はうまく機能しているか。
「(新電力の倒産や事業撤退を受け)やはり電力自由化は間違っていた」と言う人もいるが、戦後60年かけて出来上がった電力システムを変えるには、それなりの年数が必要だ。
昨年は、事業者向け電力販売で大手電力によるカルテル問題や、新電力顧客情報の不正閲覧などが発覚した。旧態依然とした業界の体質は変わっておらず、自由化のルール徹底が不十分であることは明らかだ。