適正AV
業界では新法(引用者注:AV出演被害防止・救済法)成立以前から、出演者の人権に配慮し、保護者の同意なしで未成年者と契約しない、撮影内容を説明する、撮影前の性病検査を実施する、著作権の所在を明確にするなどの審査を通ったものだけを「適正AV」として販売している。 一方で日本プロダクション協会に所属しない悪質業者によるものや、個人撮影、同人AV、パパ活や売春行為のオプション撮影が動画サイトに転載されるなどの「違法AV」もあり、こちらは業界とは無関係のため全容の把握が難しいという。
「現状の契約でも、女優さんが『やっぱり嫌だ』となれば、いつでも出演や販売を断われますよ。そもそも、女優さんに出演の許諾書を提示し、サインしてもらうときは、証拠のためにカメラを回さなければいけません。さらに、撮影の48時間前までに台本を渡すルールもあります。また、撮影現場でも、台本以外のことを強要していないことを証明するために、小さなカメラを天井付近に置いておきます。通称“天カメ”です。これほど厳しいルールが課せられているので、私のまわりで出演をめぐるトラブルが起きたことはありません。
でも、こうした自主規制についてはあまり触れてもらいたくない部分ですね。『18歳デビュー』『父娘』などの“設定”について、画面の中にも演出だと断わるテロップを入れてはいますが、作り手側が『じつは設定なんです』と明かすようなものですから」
フェティッシュメーカー「RASH」の主宰者で、AV監督のラッシャーみよし