規範
基素.icon規範は論証と同じ?
Claude 3.5 Sonnet.icon
はい、基本的に規範と論証は同じものを指します。ただし、若干のニュアンスの違いがあります:
規範:
より広い概念で、法的判断の基準となるルール全般を指します
条文や判例から導き出される法的な判断基準
「こういう場合にはこういう効果が生じる」というルール
規範をより具体的に展開した法的な判断の枠組み
要件・効果を具体的に示し、その意味内容を説明するもの
答案作成の文脈で使われることが多い用語
例えば、民法709条の不法行為の場合:
規範として:
「故意または過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」
これを論証として展開すると:
1. 故意・過失があること(主観的要件)
- 故意とは結果の発生を認識・認容すること
- 過失とは結果の発生を予見・回避すべき注意義務違反
2. 権利・法益侵害があること(客観的要件)
3. 損害の発生
4. 因果関係があること
という形で、より詳細に要件の内容を説明していきます。
つまり:
規範は「大きな判断基準」
論証はその規範を「具体的な判断枠組みとして展開したもの」
と考えるとわかりやすいかもしれません。
実務的には、両者はほぼ同じ意味で使われることが多く、特に区別する必要性は低いです。司法試験の答案でも、「規範定立」と「論証」は同じ趣旨で使われています。