脚本術
ビジネスとしての映画はいったい何を売っているのでしょうか? それは人間の感情です。 つまり、何が読者を最も興奮させるのかを知り、感情的に巻き込んでしまう方法を見つけ出すことが、売れる物語をつくるために極めて重要なのです。
現在ハリウッドにおいて、1年間で製作される映画は約200本。まずこれらの映画を作るうえで最初に行われるのが「ストーリーの作成」です。脚本の初稿、いわゆる「第1稿」が出来上がる流れは大きく分けて3つ。 一般的な方法が、「脚本家が原案から考えて執筆、プロデューサーや監督に売り込む方法」
「監督自らが題材を探し、脚本を書き上げる方法」
「プロデューサーや俳優が題材を探し、自らが作成するか脚本家を雇って執筆を依頼する方法」
しかし、ハリウッドにおいてはひとつの映画に対し3人以上の脚本家が携わり、数回にわたり書き直しが行われるのは当たり前の作業。映画「フリントストーン」にいたっては32人もの脚本家が雇われていたといいます。製作者側は予算と時間の範囲内で、納得の行く脚本が出来上がるまで繰り返しリライトがなされるのです。
ハリウッドでの脚本家の仕事は、このシナリオの「第1稿」を書くところまで。
この段階でそのシナリオは買い取られ、報酬を得る代わりに、脚本に手が加えられることを認める契約を結ばなければならないのです。
その後、監督やプロデューサー、出演俳優の意見によってセリフが変わるのは当たり前で、登場人物の変更だけでなく、エンディングが全く違うものになってしまうこともあるのです。
「ロード・オブ・ザ・リング」でも、主演のイライジャ・ウッドのアイディアで数多くのシーンが追加されたといわれています。
脚本の下読みの人々が、良かった脚本をまとめて、集計したら、うまくいったという話。
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