経済数学の直観的方法
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内容
古典力学の微分方程式の場合、それらは厄介さに応じて3つのレベルがあり、それは
1・紙と鉛筆で解ける線型方程式
2・例外的に性質の良い非線形方程式
3・残りのほとんどの解けない問題
で、1から3に向かって混沌の度合いが上がっていきます。
一方これを確率統計の世界に対応させると、ガウスの正規分布による古典統計はちょうど上の「1」の線型方程式に相当するものだ、というのが筆者の見解です。そしてこういう場合、大事な思想はほとんどが「1」の世界観の中で形成されるのが普通で、「2」から先の知識は知らなくても基本思想の形成にほとんど影響しません。実際に力学の場合も「2」の非線形微分方程式に関する知識は、理系でも一般常識としては大して要求されないのが現実です。 確率統計の場合も同様で、「2」や「3」のレベルの知識は、思想形成という観点からする限り、あくまでも「1」で得られた基本思想を修正するという程度の意義に留まります。というよりこの「2」から先については、議論を始めると結構大きな話になってしまい、「3」まで行けばそれこそ「統計というメソッドが本当はどこまで有効なのか」という大変なテーマにまで発展しかねないものです。