漫画編集の仕事
編集の目的
ヒット作品を生み出す
手法:才能を持つ作家とたくさん会う
① 作家を発掘する
② トライ&エラーを重ねる
客観的なアドバイスをしながら、増刊や読切掲載など重ねて、レベルアップをしつつ、ヒットしそうな企画やキャラクターを一緒に探す
③ 連載中クオリティアップを目指す
読者の反応を確認しながら、客観的なアドバイスをしつつ、打合せを重ねる
④ 売れるよう(作品内容改善以外も)努める
宣伝、映像展開などのプロデュース等
重要な仕事内容を4つに整理してみました。(他にも重要な仕事はたくさんありますが)
漫画誌の仕組み
1. 作家の発掘
募集すれば連載したい作家の卵が応募してくれる
原理:ジャンプは有名である
記事全体を通して、これがかなり効いていそう。認知をとることができるため基素.icon 大手企業が中小企業より採用が楽なのと同じ基素.icon
課題
多くの編集部で、持ち込みや漫画賞への投稿はおそらく激減しています。特定の漫画誌にこだわる作家さんは減りました。
そのような編集部は、昨今、コミティアや専門学校等へ出張編集部に出向き、また、pixivやTwitterなどでスカウトして、作家さんとの出会いを求めるのが主になります。
対策:作家集め施策
2. 作家の試行錯誤の仕組みがある
読み切り
漫画賞
新連載のコンペ
コンペ落選の場合は編集部から、掲載の場合は読者からフィードバックをもらうことができます
原作を持っている有名な作家がいるときに作画がコンペをやるみたいなことが内部的にあるという話をTwitter spaceで講談社の編集とジャンプ作家が言っていたやつのことではなかった基素.icon
課題
漫画誌の訴求力が落ちているため、コンペで落ちると他誌へ残念ながら移ってしまう作家さんが昔より増えました
作家側からしたら選択肢が増えている基素.icon
エラーを重ねる余裕がない漫画編集部が多くなりました。
Twitterでバズった漫画を青田買いしたりすることになるのだろうか
対策
「作家さんの成長」につながっている感覚が非常にあります。
しかし、「ヒット企画が見つかる」役割は、トライの機会の増加だけでは、十分に果たせてはいないとも実は感じています。
多くのデータが取れるWEB漫画雑誌ですが、いまだ雑誌のハガキアンケートの方がヒット企画を見つかるきっかけになりやすい気がしています。
なぜ?
そこで、WEB漫画雑誌では、どんな指標や分析で判断すればよいのか、みんなが納得でき確度の高い判断基準を作りたいと考えました。
3. 連載中のクオリティアップのためのアンケート
一話ごとに読者からフィードバックがある
部数減などの理由で、連載中の読者アンケートの精度が落ちて、クオリティアップの参考にしにくい漫画誌が増えました
ジャンプクラスなら関係なさそうだが、記事では一般の話をしている基素.icon
精度の分析はやっているのかな?体感か?
対策
作家の成長とヒット企画の発見を素早く行うための指標の探求
ジャンプ+でのデータ分析
納得のいく指標は試行錯誤中
創刊時、「少年ジャンプ+」では、「閲覧数」と「いいジャン!数」をシンプルに取って指標にしていました。
たとえば「閲覧数は、サ ムネイルに大きく影響されるから、中身の評価が図りにくい」など
現在は、さらに様々な読者の反応やデータを取り、その分析の仕方も含め、複合的に判断材料にしています。(すみません、公の場では詳しく書けませんが…。)
指標を決める=ヒットを定義するということ
「漫画のヒットとは何か」「作品をどんなヒットに成長させていくか」に関わってきます。
旧来の指標
かつては「漫画雑誌での人気」や「コミックスの部数」
今後は漫画のヒットの形は多様化していくはずです
そうするためにはコミックス以外の売上を発生するシステムを設計できないといけないが、それはどんなことをやっているのだろ?基素.icon
作家を激しい競争におく
「週刊少年ジャンプ」は約20本という枠があり、必ず年五回の連載会議で作品が入れ替わるため、激しい競争が生まれ、それも作品のクオリティアップに働いてきました
ジャンプ+での表示を閲覧数順で表示し、サムネイルを上位ほど目立つようにした
閲覧数を強調した
効果は不明
これっていい施策なのかよくわかんないな基素.icon
4. 売る
作者の知名度に関わらず、ジャンプで人気になれば売れる
読者が数100万人いる
課題
漫画誌の読者が少なすぎて、面白くても気づかれずに売れない、という声をよく聞くようになりました。
対策 電子化
「少年ジャンプ+」創刊の2014年当時、マガジンやサンデーなど多くの漫画雑誌は発売日にスマホで読むことはできませんでした。
海外版の発行
ここもジャンプとは関係なさそう基素.icon
作家集め施策
編作品のネームを次々と執筆した。初代担当編集者である大西恒平は吾峠へ何度も「ダメ出し」を行って不採用としたが、吾峠は諦めずに何度も新たなネームを制作した。毎月1本以上のペースで、合計5作品程度を提出した 『過狩り狩り』では個性を評価されながらも「万人向けではない」と指摘されていたが、多くのネームを描いたことでその欠点が徐々に克服されていったという 上記作品らの評判は、読者の人気・編集部の判断ともに「悪くはないが、もう一つ人気が欲しいといったところ」だったという
担当編集者の片山達彦が「原点回帰」を提案した。片山は「作家性を活かすためにマニアックな方向に寄りすぎた」と反省し、「ジャンプの対象読者である小学生・中学生・高校生が読んで理解できることが重要」と考えて、吾峠の第1作『過狩り狩り』にあった「大正時代」「吸血鬼」「刀」という要素を盛り込むことを提起した 助言を受けて、吾峠は『過狩り狩り』を原案としたネーム『鬼殺の流(きさつのながれ)』の第1話から第3話を執筆した。同作は「読みやすくなった」と評価はされたが、主人公が盲目に隻腕で、また両足が義足であり、「世界観のシビアさと主人公の寡黙さ」のために連載会議では落選となった
その後、片山の先輩編集者の助言を受けて、「『HUNTER×HUNTER』のように、主人公を普通の人間に設定し、その周囲を特徴的な人物にする」ことを片山が提案した。