日銀の日本株ETF大量保有
植田和男「大量に買ったものをどうしていくかは大問題」 日銀は、日本の上場株式時価総額の約7%を持つ
問題点
株価形成に与える歪み
下落リスクの過小評価
日銀の参加しない場合の株価が不透明に
日銀買いの影響はまだあるのかわからない
楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジストは、日本の株価水準の大半を決めているのは外国人投資家(引用者注:海外投資家)の売買であり、日銀買いの影響は「全くなかったわけではないが、大きなものではなく、それぞれの買いの効果は短期的だった」と考えている。 多くの上場企業の実質的な筆頭株主になっている
クリントン政権時代の米国で、当時の米連邦準備制度理事会(FRB)議長だったアラン・グリーンスパン氏が「国(の公的機関)が民間企業の株式を持つことは好ましくない」ことを理由に、米国の公的年金資金による米企業の株式買い入れに反対したことがある。
議決権を行使しない
民間介入を避けて行使しない
経営に真剣に関与しないので企業パフォーマンスが悪化するのでは?
運用会社への実質的な補助金である
現在の日銀の審議委員である中川順子氏は、日銀が保有するETFの運用会社における最大手の一角であり、年間におそらく200億円程度の運用管理費用を日銀から受け取っている野村アセットマネジメントの経営者だった。 果たして中川氏は植田新総裁の下で日銀が保有するETFの処置に関して政策決定の議論に参加するつもりなのだろうか。大きな利益相反を抱えている中川氏を政府が審議委員に選任したことも、ご本人がこれを受けたことも、さらには野村グループがこれを受け入れたことも不思議である
中銀の信用失墜は、中銀が債務超過に陥るといった、財務内容の健全性が失われることによって起きる
そのような事態を避けるため、...価格が大きく下落する可能性のある金融資産を決して保有しなかった
今の日銀は
上場投資信託(ETF)に買い入れを通じて日本株の「最大の株主」になっている。
保有国債の大部分は償還期限10年の長期債(21年7月末で534兆円中、504兆円保有)
世界の主要な中銀で、金融政策目的で株式を保有しているのは日銀だけ
日銀は、国債は満期まで持つ目的で保有し、時価評価する必要がない「償却原価法」で評価しており、「評価損は発生しない」と説明している。
肝心なのは日銀の自己認識ではなく、外部からの評価だ。外資系金融機関の審査部は、取引先の財務内容を常に時価会計で評価する。
日銀法で「物価の安定」を義務づけられている日銀は、国内でインフレが進行すれば、短期政策金利を引き上げねばならないが、現状では日銀当座預金への付利金利の引き上げしか方法はない。
インフレが進行したら金の価値が下がるので、市場に金がだぶつく。銀行に入れてもらうために銀行の金利を引き上げる。つまり当座預金に付利する。
国債購入分にも付利しないといけないの?
539兆円もの巨額の日銀当座預金残高に付利すれば、1%ごとに5・39兆円もの金利支払い増となる 20年度の日銀の純利益が約1兆4500億円で、損失に備えるための引当金勘定等が10・8兆円しかないのだから、政策金利を引き上げれば赤字決算となり、債務超過に陥りかねない。