当局の規制下で生きる中国人は公と地下を使い分ける
陳暁:国民もふたつの顔を持っているんです。地下のライブハウスやYouTubeで政府バカヤローというヘビメタを歌っている人たちも、テレビに出演するときはしおらしく控えめな内容の歌を歌います。主張とお金儲けは別軸で考えていますし、政府もあらゆるジャンルで影響の少ない彼らの地下活動には目をつぶっています。
陳暁:なぜテレビを取り締まるかというと、影響力が強いからです。中国人はみんなそれをわかっている。クリエイションとは別に、生きるための商売として売れないといけない場合は「マス向け」になっていく。そうしてひとりのクリエイターも、非マスとマス向けの顔があるということは覚えておいて欲しい。
陳暁:二面性の上手なコントロールが前提なので、そこは日本とかなり違いますね。それに耐えられないクリエイターは国外に出ていますが、数は多くありません。景気がいいうちはおそらくこの状態が続くと思います。
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