安全保障法制(2015)
集団的自衛権とは、政府解釈によれば「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」です。 これまで政府は、憲法第9条(引用者注:憲法9条)の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないとしてきました。 ところが、現在、政府は、この政府解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認しようとする方針を打ち出しています。
しかし、これまで政府は、集団的自衛権の行使は許されないとする解釈に関し、政府による法令の解釈は「論理的な追求の結果として示されてきたもの」と説明していました。長年の議論によって積み重ねられてきた解釈を変更することは、立憲主義の観点から極めて問題があります。 2015年9月に成立。集団的自衛権の行使を可能にすることなどが盛り込まれ、戦後日本の安全保障政策が大きく転換することになりました。 自衛隊の活動範囲も拡大され、翌2016年3月の施行後、これまでに、南スーダンに派遣した陸上自衛隊の部隊に「駆け付け警護」などの任務が付与されたほか、海上自衛隊による「米艦防護」や北朝鮮のミサイル警戒にあたるアメリカ軍のイージス艦への燃料の提供といった新たな任務が行われています。
政府は「平和安全法制」と呼んでいます。