大きな政府が犯罪を減らす?
from 2025-08-19
Talking With Jeff Asher - Paul Krugman
トランプが「アメリカの殺戮だ」とか何とか言って、首都に軍隊を送り込んでるが、まあいつものデタラメだな。クルーグマンが話を聞いてるのが、ジェフ・アッシャーって元CIAのデータ分析屋だ。こいつは、クソ遅いFBIの公式統計(去年のデータが今頃出てくる!)なんざ待たずに、各都市からリアルタイムで犯罪データを集めてる、この分野の第一人者だ。
で、そいつの出した結論は何か? 巷で言われてるのと真逆だ。コロナ後に急増した殺人などの犯罪は、今や「崖から落ちるように」激減してる。これは一部の都市だけの話じゃない。全米規模で起きてる現実だ。
「統計がウソなんだろ」って陰謀論者が出てくるが、アッシャーに言わせりゃ「ほぼ不可能」。1万8000もの警察組織から上がってくるデータを全国規模で改ざんできるわけがない。特に殺人の統計はごまかしようがなく、CDCみたいな他のデータとも完全に一致してる。
じゃあ、なんで犯罪が減ったのか? アッシャーの説が面白い。「大きな政府」のおかげだってよ。コロナ対策で連邦政府がばらまいた巨額の補助金が、結局は回り回って自治体の犯罪対策になった。街灯の整備、コミュニティへの投資、暴力の連鎖を断ち切るプログラム…。特定の政策一つじゃなく、とにかくカネを突っ込んで多方面から一斉にやった結果だ、と。皮肉な話だな。
一番の問題は、これだけ事実を突きつけられても、国民の大半が「犯罪は増えている」と信じこんでることだ。世論調査じゃ、今が90年代の超凶悪時代より治安が悪いと本気で思ってる。自分の周りは安全でも「どこか他の場所」が大変なことになってると信じたいらしい。メディアが殺人事件は報道しても「事件がなかった日」は報道しないからな。結局、人間はデータより感情や物語で動くってことだ。救えねえ。