基本的人権
人権という語は、英語でいうhuman rightsの訳語ですが、実は日本国憲法の規定の中には用いられていません。憲法には、11条と97条に「基本的人権」という用語が見られます。今日では、この「基本的人権」と「人権」とはほぼ同じ意味で理解されています。
そもそも、この「人権」という語は、憲法上の権利(つまり実定法上の権利)という意味で用いられるよりも、憲法が制定される以前から成立する人間の権利という意味で用いられることが多いのです。
高乗正臣 中央大学法学部卒業。亜細亜大学大学院法学研究科修士課程修了。平成国際大学法学部元教授、前憲法学会理事長。専門は憲法学。
基本的人権は、人々の長い苦労と試練の中で確立されました。
1215年のイギリスで国王の権限を制限した革命的な憲章、「マグナ・カルタ」です。現代の立憲主義の礎となりました。 18世紀後半のフランスでは、国王の支配を打ち破ろうと市民が革命を起こしました。フランス革命です。勝利した国民は “人は生まれながらに、自由で平等な権利を持つ”と宣言しました。 支配者 v.s. 被支配者
日本で人権思想が確立したのは、1946年に公布された「日本国憲法」によってです。 それ以前は日本では人権という概念が一般的ではなかった?
今や人権は世界共通の理念ですが、人々の人権意識はより多様化してきています。
例:信教の自由、表現の自由、職業選択の自由
例:選挙権、非選挙権