判例
地裁や高裁のものは判例とは呼ばないの?基素.icon
地方裁判所や高等裁判所の判決も重要ですが、これらの判決が直接全国統一の法律解釈を決定するわけではありません。しかし、これらの裁判所の判断は、類似の案件に対する判断の参考になり得ます。これらの裁判所の判決も”判例”と呼ぶことはありますが、最高裁判所の判例と区別するために「下級審の判例」と言われることもあります。GPT-4.icon
判例は、「先例」としての重み付けがなされ、それ以後の判決に拘束力を持ち、影響を及ぼす。その根拠としては、「法の公平性維持」が挙げられる。つまり、「同類・同系統の訴訟・事件に対して、裁判官によって判決が異なることは不公平である」という考え方である。
同類、同系統の事例に対して同様の判決が繰り返されて積み重なっていくと、その後の裁判に対する拘束力が一層強まり、不文法の一種である「判例法」を形成することになる。 最高裁判所の「判例」
最高裁の判例によって示された法律解釈における規範は条文に匹敵するほどの意義を持ちます
実務上も判例がある論点については、基本的に判例の見解を前提として主張を展開せざるをえません。
判例と異なる自説を主張するのであれば、最高裁まで上告して判例変更をしてもらう覚悟で挑まなければいけません。
判例と異なる法的解釈をする場合には、判例に言及し、それが妥当しない理由を示してから自説を展開しないと減点対象になるわけです。
地裁や高裁の「裁判例」
規範的な意義まではなく、あくまで事例判断として、異なる見解を示して問題ありません。
実務上も有利な「裁判例」のみを参照して自説を補完しますが、異なる見解の裁判例にはあえて言及しません。
解釈が必要だからわざわざ事例集などになる
解釈が問題にならない典型事例もたくさんあるが、判例集には乗らない
裁判所が条文を解釈して抽象的に言い回すことがある
その内容が他の事例に影響を与える(射程)
英米法の国では、判例が第一次的な法源とされている。ただし、制定法も第二次的な法源である 判例は、法的拘束力 (doctrine of stare decisis)を有する
法的拘束力について、英国では1898年に貴族院で厳格な先例拘束性が確立(London Tramways Co.,Ltd.v.London County Council事件による)され先例拘束性の原理がとられている
アメリカ合衆国だと厳格な先例拘束性の原理が成立しておらず、比較的緩やかに判例変更が認められている。
判例は英米法の国ほどの法的拘束力が無く、法源の一つでなく、制定法や慣習法のみが法源であると解するのが、伝統的な理解である。
しかし、法解釈について最終判断を委ねられる最上級の裁判所の判例は、下級裁判所にとって拘束力を有するだけでなく、あらゆる法律実務に対して事実上の拘束力を有する。