任意後見人
ひとりで決められるうちに、認知症や障害の場合に備えて、あらかじめご本人自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です。 任意後見契約は、公証人の作成する公正証書によって結ぶものとされています。 その手続や費用については、任意後見制度利用開始(発効)手続の流れをご確認ください。
任意後見監督人の仕事は、任意後見人が任意後見契約の内容どおり、適正に仕事をしているかを、任意後見人から財産目録などを提出させるなどして、監督することです。 また、ご本人と任意後見人の利益が相反する法律行為を行うときに、任意後見監督人がご本人を代理します。任意後見監督人はその事務について家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所の監督を受けることになります。
任意後見監督人の仕事の内容(Q1)から、ご本人の親族等ではなく、第三者(弁護士、司法書士、社会福祉士、税理士等の専門職や法律、福祉に関わる法人など)が選ばれることが多くなっています。
任意後見受任者ご本人や、その近い親族(任意後見受任者の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹)は任意後見監督人にはなれません。
Q20:任意後見制度を利用して任意後見監督人が選任された事例を教えてください。
次のような事例があります。
○任意後見監督人選任事例
ア 本人の状況:脳梗塞による認知症の症状
イ 任意後見人:長女
ウ 任意後見監督人:弁護士
エ 概要
本人は、記憶力や体力に衰えを感じ始めたことなどから、将来に備えて、できる限り自宅で生活を続けたいといった生活に関する希望などを伝えた上で、長女との間で任意後見契約を結びました。その数か月後、本人は脳梗塞で倒れ、左半身が麻痺するとともに、認知症の症状も現れました。そのため、任意後見契約の相手方である長女が任意後見監督人選任の審判を申し立て、家庭裁判所の審理を経て、弁護士が任意後見監督人に選任されました。
長女は、任意後見人として、事前に把握していた本人の意向を尊重し、本人が在宅で福祉サービスを受けられるようにしました。
任意後見監督人には報酬が支払われるのですか?
任意後見監督人から報酬の請求があった場合は、家庭裁判所の審判により、ご本人の財産から支払われることになります。