中国の経済
中国の「超巨大な貿易黒字」は世界経済を壊しにくる規模なので、受け身で「安く買えて得だね」で済ませず、欧米は“関税ごっこ”ではなく“補助金中心の産業政策”で対抗しろ
中国の黒字は2025年で約 1.2兆ドル。問題は金額というより「世界GDPに対する比率」で、製造業の黒字シェアが歴史的に前代未聞。
「中国が盗んでる」は雑すぎる(ここ大事)
黒字=相手国が損、ではない。中国は安いモノを売って、さらに見返りに海外資産(例:米国債)を買う。つまり「安売り+低金利ローン」を世界に配ってる面もある。
でも、それでも害がデカい。
害は3つ
1. 経済・社会の破壊力:いわゆる「チャイナショック」で米国の雇用が大量に吹き飛び、地域に傷が残った。今は第2波が第1波よりデカい。
2. 安全保障・チョークポイント問題:Weaponized Interdependence的な話で、供給網の要所を握ると脅せる。中国が黒字を積み上げるほど、レアアース等の支配で相手を締め上げられる。 Donald Trumpの米国は(少なくとも今は)理性が怪しいので、欧州が米国依存を怖がるのも当然、という含みもある。
3. 未来産業の“ロックイン”:先行優位+集積で勝者総取りになる。Silicon Valleyや(San Francisco Bay Area+Seattle)みたいに、一度生態系ができると他が追いつけない。中国がEVや太陽光みたいな分野で同じことをやると、将来ずっと首根っこ掴まれる。Huaweiみたいな監視リスクもゼロじゃない。
じゃあどうする:ポイントは「産業政策はアリ、ただし関税は基本ダメ」
自由貿易は原則として正しいが、「市場が外部性を無視して重要産業を痩せさせる」なら介入は正当化される。ワクチンを全部中国に依存していいの?みたいな話。
関税 vs 補助金:ほぼ補助金の圧勝
私の立場は、Trade Policy and Economic Welfareの「外科手術みたいに副作用を最小化しろ」に乗る。
関税は
消費者価格を上げる
中間財(鉄鋼など)にかけると、国内の最終製品コストも上げて自爆する(サプライチェーン時代はここが致命的)
Donald Trumpが「外国が関税払ってる」と言うが、輸入価格が都合よく下がって吸収されてる形跡は弱い
例外
急な輸入急増には、関税の方が即効性がある場合はある(制度的に速い)。
政治的に必要なら“関税っぽい縛り”が混ざることもある。Joe BidenのInflation Reduction ActのBuy American条項みたいに、「それ抜いたら法案が通らん」問題。
次に何を守る?
支援対象は少なくとも上の3理由(雇用破壊・安保・未来産業)のどれかに当てはまる必要がある。具体的な業種の選定は次回に持ち越し。
中国は自国民に金を使わせられないから、その分を世界に押しつけて景気を保っている。それが世界最大の貿易黒字の正体で、放置すると世界経済にとっても安全保障にとっても頭痛の種になる
要するに、中国の貿易黒字はヤバいレベルで史上最大。GDPの規模だけじゃなく、世界経済全体に占める割合でみても過去に例がない。これはただのトリビアじゃなく、本物の問題だ。
なんでこうなったかというと、中国の経済モデルが時代遅れになったから。かつては「たくさん貯めて、たくさん投資する」という戦略で爆発的成長を遂げた。だがいまや技術進歩は鈍化し、働き手の数も減っている。投資しても以前ほどのリターンが出ない。
にもかかわらず、中国政府は貯蓄率を下げて消費を増やすという当たり前の転換をずっとサボり続けている。「消費主導の経済へ転換します」と言い続けて何年も経つのに、具体的な手を打てていない。
じゃあその余剰貯蓄はどこへ行くのか。外に出ていく。つまり巨大な貿易黒字という形で、中国の過剰貯蓄を世界に「輸出」しているわけだ。外国の消費者に自国労働者を養わせているという構図。
ペイウォール以降で論じられるはずの論点は以下の四つ(本稿では無料公開部分のみ確認可能):① 中国がどうやって黒字を作り出しているか、② 他国への破壊的影響、③ 安全保障上のリスク、④ 世界経済の成長に対する脅威。
ク来週、政策的対応についても論じる予定
「中国のデカすぎる貿易黒字は世界経済を壊しに来てる。国内の失敗を輸出で埋めてるだけ。で、どうする?」
2025年のニュースはトランプの気分政治が支配してたけど、本来もっと注目すべきは中国の巨額黒字だろ、という問題提起
中国の貿易黒字が「数兆ドル」級になって話題になった(数字自体に魔力はないが、注意喚起にはなった)
黒字の急拡大はだいたい2020年以降ずっと続いてる
中国みたいな超大国が「恒常的に」「異常に大きい」黒字を出すのは、世界側から見ると需要を吸い上げて産業を圧迫するので迷惑
特に米国と欧州で摩擦・歪みが出る
しかも相手は権威主義国家で、戦略産業の支配は安全保障・技術流出(取り込み)のリスクもある、と釘を刺す
これは2回シリーズの前半で、後半(次回)で「他国がどう対応すべきか(特に欧州)」までやる予告
有料部分では「黒字の規模の見方」「過少消費と政策」「貯蓄過剰」「政府が黒字を選んでる構造」「黒字トラップ」
中国がもうアメリカを抜いた。数字で見ても明白。GDP(購買力平価)でも電力生産でも、中国は米国の倍。
中国の統計はウソっぽい。でも電気のメーターや港の荷物はごまかせない。
だから「どのくらい成長してるか」は怪しいけど、「アメリカよりでかい」って方向性はガチ。
それでもアメリカは「勝ってる」幻想に浸ってる。かつてソ連がスプートニク打ち上げたときは大騒ぎして科学教育に投資したのに、今回は逆に科学嫌い政策を加速。いわば“逆スプートニク・モーメント”。
トランプ政権は「再び偉大に」と言いながら、教育と研究を削り、風力・太陽光を潰し、バッテリー技術も無視。代わりに石油と陰謀論を推進中。最大の愚策は再生エネルギー潰し。数十万世帯分の発電ができる洋上風力発電を中止しようとし、住宅用ソーラー支援の70億ドルを潰し、200万戸分の太陽光プロジェクトも殺した。クリーンエネルギー助成は80億ドル削られ、しかも民主党州が主な標的。さらに数百億ドル規模の削減を計画中。エネルギー長官のクリス・ライトは「太陽は毎晩沈むから、ソーラーは不安定」とか言うレベル。とか言ってる。そうだね、“太陽が沈む現象”を発見できるほど進んだ文明なんだよね。おめでとう。
背景には宗教右派に基盤を持つ反知性主義。進化論拒否から始まって、今や大学や科学全般を敵視。
結果、米国は科学力・産業力・教育力すべてで後退。中国が上に行くのは当然。
経済的に困っている人たち、たとえば失業している人とかの社会保障、セーフティーネットがないという問題があります。
都市部の一定の収入の人、公務員とか大手企業の人たち、国有企業の人たちは、かなり手厚い社会保障が医療にしても年金にしても提供されています。
一方で、それ以外の人たちはセーフティーネットが非常に手薄で、出稼ぎの人なんかもそうです。
そうすると、賃金の未払いとかが起きたときに訴えても解決してくれる場所がまずない。裁判所にしても、学校にしても、政府に対する不満にしても、そうした不満を解決できるシステムが実はないんです。
景気の良さが問題を隠していたが、景気が悪くなったので問題が顕在化
政府は監視強化で対応をしようとしている。しかし根本課題は経済格差やセーフティネットの欠如なので解決できない
社会システムというものに対する考え方が違う、統治というものに対する考え方が全然違う。
そして筆者の記憶の限りでは、この2007年をもって、中国がヒールの映画やドラマは、ハリウッドから消えた